<特報・中学教師恐喝>「娘がテレクラに」とうそつき親を脅す
毎日新聞2000年9月28日
「娘さんがテレホンクラブでトラブルになっている」と架空話をでっち上げ、女子高生の親から解決金名目で現金を脅し取ったとして、東京都狛江市立狛江第2中学校の男性教諭(37)が今年1月、恐喝容疑で警視庁成城署に現行犯逮捕されていたことが、28日分かった。元教諭は事実関係を認めて懲戒免職処分となったが、都教委は処分を公表していなかった。
調べでは、元教諭は今年1月13日ごろ、世田谷区の公立中の生徒名簿で卒業生の住所を割り出し「娘さんがテレクラに出入りして、男とトラブルになっている。金を払えば何とかする」などと次々と電話。母親の1人に、同14日午後、調布市内の私鉄駅前の電話ボックスに「トラブル解決金」として9万8000円を置くよう指示し、約束通り置かれた現金を奪った。さらに、同19日午後4時ごろ、駅前の喫茶店にこの母親を呼び出し、7万円を受け取ろうとしたが、通報を受けた署員に逮捕された。
調べに対し、元教諭は「電車で拾った中学の名簿から適当に電話をかけた。母娘とは面識がなかった」などと供述したという。
元教諭は1985年に採用され、同中には96年4月から勤務。事件当時は保健体育を担当していた。逮捕後、被害者と示談が成立し、起訴猶予処分になった。都教委は3月末、教諭を懲戒免職処分にした。
処分を発表しなかったことについて、都教育庁職員課は「社会的に大きな影響を与える事件には当たらないと判断した」と説明。「教師にあるまじき行為で、社会的信用を失墜させ、残念だ」とコメントしている。