不祥事対策で現場をサポート 栃木県教委
1月10日8時4分配信 産経新聞
わいせつ事件や体罰など県内で相次ぐ教職員の不祥事を受けて、県教委は9日、不祥事防止対策に関する緊急の検討結果を発表した。県教委が防止から発生後の対応までの取り組みについて方針を定めたのは今回が初めて。わいせつ事件や公金着服、体罰などの不祥事にからみ懲戒処分を受けた教職員は、今年度にすでに14人に上っており、県教委は「学校への負担などと言っていられない危機的状況」として支援に乗り出す。
県教委によると今後、管理職だけでなく若手教諭らも含めた不祥事防止の対策委員会を県内全公立学校に設置させる。また、今回の方針を踏まえて、各学校が具体的な防止対策のルールを定める危機管理マニュアルの作成も義務付けた。
過去の不祥事を分析したところ、アルコール依存症傾向にある教職員を知りながら、指導が徹底しなかったために飲酒運転を防げなかった事例などがあったことも判明。予兆を見逃さない連絡体制の強化と、厳格な対応による未然防止の重要性が報告された。
また、教員と児童生徒が1対1になる場面でわいせつ行為や体罰が多く発生していることなどから、校内合宿や宿泊を伴う遠征には複数の教員が引率し指導にあたることも強く求めている。
実際に不祥事が発生した場合には、事案に応じて専門性の高い人材で編成した「学校支援チーム」が県教委から学校に派遣され、保護者の対応や児童生徒の心のケアなどのサポートにあたる。運動部の合宿所などで女子生徒がみだらな行為を受けたとされる事件では、県立高校教諭の鈴木竜司被告(37)=児童福祉法違反罪で起訴=の再逮捕を受けて、県教委は同チームを学校に派遣し対応にあたらせた。