東北大教員ら出資会社 補助金1000万、不正受給
2009年10月30日7時56分配信 産経新聞
東北大学などの教員らが出資した法人「東北テクノアーチ」(仙台市青葉区)が経済産業省からの補助金約1千万円を不正に受給していたことが29日、会計検査院の調べで分かった。補助事業以外の業務に従事した職員の時間数を人件費に含めて経産省に請求したためとみられ、同社は経産省に補助金を返還するものとみられる。
関係者によると、東北テクノアーチは大学などの研究成果を民間事業に移転させる事業を行っていた平成18〜20年度、経産省から大学等技術移転促進費補助金として約6千万円を受給。一部を技術移転スペシャリスト人件費として、職員が従事した技術開示活動の人件費を計上していた。
しかし、このうち一部の人件費が東北大学など他の補助事業に従事したものが含まれ、不適切な経理処理があったとして、会計検査院は約1千万円について不適切と指摘する見通し。
大学などの研究成果を民間事業者に移転させる事業は、平成10年に制定された大学等技術移転促進法に基づき、文部科学省や経産省から承認を受けた技術移転機関(TLO)を対象に行われている。東北テクノアーチもTLOの承認機関。海外出願経費や技術指導経費などを3分の2を上限として国が補助する制度となっている。
東北テクノアーチは産経新聞の取材に「お話しできない」としている。