柳ヶ浦高バス横転事故、運転の教諭 在宅起訴へ

柳ヶ浦高バス横転事故、運転の教諭 在宅起訴へ
2009年12月1日 読売新聞

 大分県日出(ひじ)町の大分自動車道日出ジャンクションで7月、私立柳ヶ浦高(大分県宇佐市)野球部のバスが横転し、部員43人が死傷した事故で、大分地検は、元野球部副部長の男性教諭(26)を今週中にも自動車運転過失致死傷罪で在宅起訴する方針を固めた。バスの座席にはシートベルトがなく、部員1人が車外に放り出されて死亡したことから、県警はバスのメーカーなどについて道路運送車両法違反容疑で捜査したが、ベルトがもともと設置されていたかどうか特定できず、立件を断念した。

 捜査関係者などによると、教諭は7月11日、野球部員46人が乗ったバスを制限速度(時速40キロ)を大幅に上回る80〜90キロで運転。ハンドル操作を誤り、左側のコンクリート壁にぶつかった後、右側の壁にも衝突して横転する事故を起こし、43人を死傷させた疑いが持たれている。事故後、逮捕、送検されたが、処分保留で釈放されていた。

 同高野球部のバスは当初、同高を運営する学校法人吉用(よしもち)学園が幼稚園児の送迎用として神奈川県に本社を置くバス会社に発注。1991年12月の製造で、メーカーの仕様書には全座席にベルトを設置した記録が残っていた。

 このため、県警は「使用を始めてから外された可能性もある」とみて捜査したが、警察庁科学警察研究所の鑑定結果では、外した痕跡は確認できなかった。九州運輸局大分運輸支局に新車登録時の検査記録が残っておらず、製造段階でベルトが付いていたかどうか分からなかった。

 車検を行った整備業者もベルトについて「いつ、どこでなくなったのか分からない」などと話し、確認できなかったという。

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