不正受給:系列の2学校法人、2億3509万円 運営実態、虚偽報告 /茨城

不正受給:系列の2学校法人、2億3509万円 運営実態、虚偽報告 /茨城
2009年12月3日12時3分配信 毎日新聞

 ◇県に全額返還
 県内を中心に幼稚園などを運営する学校法人「来栖(くるす)学園」(桜川市、来栖静江理事長)と系列の学校法人「善隣学園」(石岡市、小貫敬雄理事長)が、虚偽の運営実態を報告し、県から補助金計2億3509万円を不正に受給していたことが2日、県議会総務企画委員会で報告された。県は先月24日、「不正は組織的かつ恒常的で悪質」として、加算金を含む3億1947万円の返還を請求。2法人は1日に全額を返還したという。
 県私学振興室によると、不正を指摘された来栖学園は現在、県内で五つの幼稚園のほか、千葉県でも幼稚園を運営。善隣学園は、前理事長が来栖静江氏で、石岡市内で幼稚園を運営する。
 2法人は、04〜08年度の報告で、勤務実態のない教員を常勤教員と偽り、出勤簿や委託契約書などを組織的に偽造。法人の役員会議事録を虚偽に作成するなど運営実態を実際より大きく見せる手口で、来栖学園は補助金1億9060万円を、善隣学園は同約4450万円を不正に受給していたという。
 補助金は、法人をまたいで使われたり、一部が個人口座に移されていた。また、免許を持たない教員が幼児教育に携わったり、全教職員が雇用保険に入ってないなど運営実態はずさんだったという。2法人は、県の調査に不正の事実を認めているが、動機などの説明は一切がないという。
 2法人の不正受給を受け、県子ども家庭課は、系列の社会福祉法人「リベルテ」(桜川市、来栖淳一理事長)が運営する県内3カ所の保育所についても「一部で不正がある」とみて調査に着手しており、不正受給額が判明次第、補助金の返還を求める方針だ。【高橋慶浩、山内真弓】

12月3日朝刊

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