罰金刑の元部長、小学教頭に昇任 山教組

罰金刑の元部長、小学教頭に昇任 山教組
2009年12月6日7時56分配信 産経新聞

 民主党の輿石東代表代行を支援するために山梨県の教員から集めた金を、政治資金収支報告書に記載しなかったとして、山梨県教職員組合(山教組)の当時の財政部長ら2人が平成18年、略式起訴・罰金命令を受けた事件で、この財政部長が県内の小学校で教頭に昇任していたことが5日、分かった。県教委は正当な人事としているが、赴任校の保護者からは疑問の声があがっている。

 元財政部長は事件後、県内の市立小学校で教員として勤務していたが、市教委の推薦を受けて昨年12月〜今年1月に受験し、教頭への昇任が認められた。4月から市立小学校の教頭に就任している。県教委によると、教頭の昇任試験の競争率は約10倍だったという。

 山教組が教員から選挙資金を集めていた問題は17〜18年当時、国会などで取り上げられ、県教委が資金集めに関与した山教組役員や校長ら24人を処分。刑事事件にも発展し、2人が書類送検・略式起訴された。

 元財政部長はそのうちの1人で、18年1月に15年分の資金1021万円を政治資金収支報告書に記載しなかったとして政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で略式起訴され、罰金30万円の略式命令を受けた。同年3月には県教委からも停職3カ月の懲戒処分を受けた。

 教頭が赴任している小学校の児童の保護者は「学校側から説明はない。そういう経歴を持ちながら、ほかの先生や子供に対して『悪いことをするな』といわれることに疑問を感じる」と批判している。

 一方、県教委は「市教委が勤務状況を見て推薦してきた人物を理由もなく、拒否するわけにはいかない」と説明。「勤務状況や(刑事や懲戒処分)歴を把握した上で判断している」としたうえで、「山教組への配慮はない」としている。元財政部長は産経新聞の取材に、「処罰や社会的制裁を受けている。教育委員会が判断すること」と答えた。

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