岐阜大留学生アカハラ訴訟:岐阜大に賠償命令 女性「今後の対応注視」 /岐阜

岐阜大留学生アカハラ訴訟:岐阜大に賠償命令 女性「今後の対応注視」 /岐阜
2009年12月17日12時1分配信 毎日新聞

 岐阜大大学院に留学中に担当教員の男性講師から暴言などの「アカデミックハラスメント」を受けたとして、中国人女性(30)が講師と同大に損害賠償など計928万円を求めた訴訟で、16日の岐阜地裁判決は訴えの一部を認め、被告側に計110万円の支払いを命じた。女性は「判決上は勝ったが、心の傷は残ったまま。二度と被害が出ないよう、今後の大学の対応を注視したい」と涙ながらに語った。
 判決によると、講師は学力不足などを理由に、女性に執拗(しつよう)に休学を勧めた。女性が拒否すると「社会のくず」「頭おかしくないか」と暴言を吐き、女性の修士論文を不合格とした。内田計一裁判長は女性が「多大な精神的苦痛を被った」と認定。女性の訴えで、こうした状況を把握していた大学側が、指導教員の変更などの措置を講じなかったことに対しては「不法行為とは認められない」としたが、「在学契約上の債務不履行があった」と責任を認めた。
 女性は04年に同大大学院地域科学科の修士課程に入学。修士論文を不合格とされた後、担当教官が変わり、07年に課程を修了した。女性は「在学した3年間は取り戻せないが、大学の対応に問題があると認めてもらったことはありがたい」とする一方、「アカハラ被害はほかにもある。修士論文の審査委員の選出方法などの情報公開を進め、安心して指導を受けられる体制を」と訴えた。【三上剛輝】

12月17日朝刊

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