年末回顧:公立高入試採点ミス 教員ら3526人の大量処分 /兵庫
2009年12月27日14時0分配信 毎日新聞
◇人為ミス、教委内規も影響
県教委は4月、今春の県立高校入試で122校、計1522件の採点ミスがあったと発表。同じ問題を使った神戸市など4市の14市立高でも計103件のミスが見つかった。県教委が過去5年にさかのぼって行った再調査では、本来、合格していた1人を不合格にしていたことも発覚し、新たに2047件のミスも判明。採点にかかわった教員ら計3526人の大量処分を行う事態に発展した。
原因の第一は人為ミス。県教委によると、採点ミスのほとんどは、正答と誤答を間違えたり、得点集計を誤るなどのケースだった。作業には採点3人、集計2人であたることになっていたが、守られていない疑いのあるケースもあった。
さらに、「試験当日に採点を終わらせる」という県教委の内規も深く影響していた。現場の教師からは「何時間も缶詰めにされ休憩時間もほとんどない。正当な報酬も支払われない」と不満が聞かれた。毎日新聞の調査では、内規で当日採点を明文化しているのは兵庫県だけだった。
県教委は採点日程の見直しなどの再発防止策をまとめた。また、新たな採点マニュアル作りに着手し、今月には解答用紙に小計欄を設けるなどの採点マニュアルを策定。来春の入試から活用する。
とはいえ、実際に採点するのは人間。「子どもの一生を左右する」という一人一人の責任感が問われている。来春の高校入試は、その試金石となる。【近藤諭】
〔神戸版〕
12月27日朝刊