日教組教研集会に文科省政務官出席へ 政権交代を反映
2010年1月22日19時35分 朝日新聞
日本教職員組合(日教組)が23日から3日間、山形県内で開く教育研究全国集会(教研集会)の初日の全体集会に、文部科学省の政務三役から1人が来賓として出席する方向で調整が進められていることが分かった。文科省によると、1951年の初開催時に当時の政務次官が出席した記録があるが、政務で同省に入っている国会議員が出席することになれば、それ以来という。日教組は民主党の主要な支持団体の一つで、政権交代の影響がここにも表れた。
文科省関係者によると、日教組は当初、川端達夫文科相に出席を要請したが日程が合わず、代わりに高井美穂政務官(衆院議員)が出席してあいさつする方向で最終調整中という。
文科省は長く日教組と対立関係にあり、自民党にも「反・日教組」を唱える議員が多かった。文科省によると、95年に日教組が文部省(当時)との協調路線に転じて以降、教研集会には大臣メッセージを送っているが、政務の国会議員が出席したことはないという。(青池学)
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<日教組>教研集会開幕 文科省政務官が59年ぶりに出席
2010年1月23日10時48分配信 毎日新聞
日本教職員組合(日教組)の第59次教育研究全国集会(教研集会)が23日、山形市で開幕し、文部科学省の高井美穂政務官が来賓として出席した。日教組によると、文科省で政務を担う国会議員が教研集会に出席するのは、1951年の初開催時に当時の政務次官が出席して以来59年ぶり。日教組は民主党の有力支持団体の一つで、日教組と文科省の関係が政権交代で大きく変化したことを印象づける集会となった。
日教組の中村譲委員長は22日の会見で「以前は文部省あるいは自民党対日教組という構図があったが(政権交代で)大変いい環境になった」と述べ、23日の全体集会でも「現政権は『コンクリートから人へ』を政治の基本に置き『子どもは社会全体で育てるもの』という私たちと共通認識を示している」とあいさつ、政権への高い期待を表明した。
高井政務官はあいさつで、高校無償化や教員定数の増員など、10年度予算に盛り込む教育関連の目玉政策を強調。「学校教育に対する国民の関心や期待が高まる中、日教組の皆さんの一層の努力と協力をお願いします」と語った。
教研集会は25日まで開かれ、延べ1万人以上が参加。「日本語教育」や「障害児教育」などテーマごとの25の分科会と特別分科会で、各教科の指導方法や生徒指導などの取り組みについて約740本のリポートが報告される。【井上俊樹】