国歌不起立の教職員名収集、神奈川県教委が継続
2010年2月2日11時45分配信 読売新聞
県立高校の卒業式や入学式で国歌斉唱時に起立しない教職員の名前などを神奈川県教委が収集していることに、第三者諮問機関から「不適」答申が出ている問題で、同教委は2日、今後も情報収集を継続することを同日の定例会で決めた。
同教委は2006年春から教職員名などを校長に報告させているが、第三者諮問機関の県個人情報保護審査会が07年10月に「不適」と答申。別の諮問機関も08年1月に同趣旨の答申をし、個人情報保護審査会が先月20日に再度、是正を求める答申を出していた。
定例会では、「学習指導要領に沿って生徒に国歌を尊重する姿勢を身に着けさせる観点から、起立しない教職員を指導する必要がある」などの意見が教育委員から出され、全会一致で収集継続が決まった。
先月の審査会答申は、08年春の式典に関するもので、教職員19人が県教委に情報のデータ消去を拒否され、異議を申し立てていた。答申では「思想信条に該当する情報に当たり、県個人情報保護条例違反」とし、「県教委は(データ消去を拒否した)決定を取り消すべき」としていた。
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君が代不起立教職員の氏名収集で知事、「今回の判断は理解できる」/神奈川
2010年2月4日7時0分配信 カナロコ
松沢成文知事は3日の定例会見で、県教育委員会が県個人情報保護審査会の答申に反し、卒業、入学式の君が代斉唱時に起立しなかった教職員の氏名収集の継続を決めたことについて、「(県教委の)判断は理解できる」とあらためて見解を示した。
知事は「起立して、模範を見せることが大事という見解があり、きちっと(教職員には)指導していただきたいと思う。わたしとしては今回の判断は理解できる」と話した。答申とは全く異なった方針になったことには「(答申は)最大限尊重されるべきだ」とした上で、「今回は例外的な対応と考える。これをきっかけに誰もが(答申に)従わなくなるということはあり得ない」と述べた。