PC偽装購入の山口大教授、偽の納入品自ら準備
2010年2月18日 読売新聞
山口大の公的研究費を巡る不正経理問題で、パソコンやデジタルカメラなどを偽装購入していた大学院理工学研究科の教授(60歳代)は、自ら用意した発光ダイオード(LED)を業者に渡し、正規の納入品と偽って納入手続きをさせていたことが17日、大学関係者などへの取材でわかった。
この手口で大学側に代金を支出させ、パソコンなどの偽装購入の費用に充てていた。業者は大学側の納品検査を通過後、LEDを持ち帰って繰り返し不正に使用していたという。
山口大は学内の納品検収センターで物品が適正に納入されているかどうかを検査。業者は納入品の実物と納品書をセンターに持ち込み、納品書に検収印を押してもらった後、発注した教職員に届ける。教職員は大学の会計部門に納品書を提出、これに基づいて業者に代金が支払われる。
複数の関係者によると、教授は白色や赤色のLEDが1000個単位で入ったパッケージを数種類用意し、光学機器商社1社の担当者に渡していた。
担当者は、偽造した納品書とLEDをセンターに持ち込み、検収印を受けた後、教授には納品書だけを渡していた。LEDは持ち帰り、繰り返し不正に使っていた。ほとんどは教授の専門分野のLEDが利用されたが、ハロゲンランプやプリンター用紙などが使われたケースもあったという。
同大の内規では、50万円未満の物品については教職員が納入業者を選択し、自ら発注できる。商社の担当者はLED1パックに20万〜40万円の価格をつけ、パソコンなどの売り上げに充て、実績としていた。