<君が代不起立訴訟>再雇用取り消し 2審も元教員側敗訴
2010年2月23日12時31分配信 毎日新聞
卒業式の君が代斉唱で起立しなかったことを理由に定年後の再雇用を取り消されたのは違憲・違法として、東京都立高校の元教員10人が、都を相手に職員としての地位確認と損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は23日、請求を棄却した1審判決(07年6月)を支持し、原告側の控訴を棄却した。奥田隆文裁判長は「都教委の判断は不合理とは言えず裁量権を逸脱していない」と述べた。
別の同種訴訟でも今年1月、東京高裁が原告勝訴の1審判決(08年2月)を取り消す原告敗訴判決を言い渡している。
元教員らは03、04年度の再雇用職員の採用選考で合格したが、その後、実施された卒業式で君が代斉唱時に起立せず合格を取り消された。判決は起立を命じる校長の職務命令を「特定の思想を強制したり禁止するものでなく合憲」と判断した。そのうえで合格を取り消した都教委の判断を「定年退職後の機会を奪うことはいささか酷だが、起立は社会への所属感を深め教育上の効果も期待できる。合格取り消しは必要かつ相当な範囲を超えておらず違法とは言えない」とした。【伊藤一郎】