和歌山県立医大で不正会計、板倉教授を停職1カ月
2010年2月26日7時56分配信 産経新聞
会計検査院から約1370万円の不適正経理を指摘された和歌山県立医大は25日、ほかにも計約1億2000万円に上る不適正経理があったことを明らかにし、関係した教職員ら51人を同日付で停職や減給、厳重注意などの処分を行ったと発表した。このうち4月から同大学の理事長に就任する板倉徹教授(64)は1カ月の停職処分となった。
同大学の調査で新たに明らかになったのは、平成14〜19年度の文部科学省などからの委託事業の研究について、医療器具を買ったように見せかけて代金を業者にプールし、翌年度以降の購入資金に充てる「預け金」約3300万円や、別の物品を購入したように装って経理の手間を省く「書き換え」約8400万円など。昨年11月に指摘された約1370万円の不適正経理と合わせると、計約1億3300万円に上った。
板倉教授は「厳しい非難を真摯(しんし)に受け止め、深く反省している。4月からは大学の運営面で不正を許さない体制づくりをしていきたい」と述べた。
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県立医大不正経理:「批判受け止め発展に尽くす」 板倉・次期理事長陳謝/和歌山
2010年2月26日12時19分配信 毎日新聞
理事長(学長)選の3候補者が全員、事実上の処分を受けた県立医大の不正経理問題。不正約1億3000万円のうち約3000万円にかかわり停職処分を受けた板倉徹・次期理事長は25日会見し、「厳しい批判を受け止め、二度と問題を起こさないよう大学の発展に尽くす。深くおわびします」と陳謝した。
板倉次期理事長は「もらった研究費は役立てたいという気持ちだった」と不正をした動機を説明。返還については「大学の指示に従う」と話した。
大学によると、不正は、業者に金をプールさせ翌年度以降に物品購入などにあてる「預け」や、物品をツケで購入したりする「付け替え」など。処分については「他大学の事例と照らし合わせ、金額の多さや医療に与える影響も考慮して決めた」と説明した。再発防止策として、今年4月から、外部から責任者を招く監査体制をつくり、物品の検収体制や教職員の研修も強化するとしている。【最上聡】
2月26日朝刊