剣道部顧問らを遺族が賠償提訴 大分、熱射病死亡事故

剣道部顧問らを遺族が賠償提訴 大分、熱射病死亡事故
2010年3月3日 00:07 西日本新聞

 大分県竹田市で昨年8月、剣道部の練習中に工藤剣太さん=当時(17)=が倒れ、熱射病で死亡した事故で、工藤さんの両親が2日、県と剣道部顧問、副顧問、搬送先の公立おがた総合病院を運営する同県豊後大野市に、計約8600万円の損害賠償を求めて大分地裁に提訴した。

 訴状によると、工藤さんは昨年8月22日、剣道場で倒れ、搬送先の同病院で死亡した。顧問はふらつく工藤さんに「演技じゃろうが」などと言い、馬乗りになって暴行を加え、副顧問もそれを放置するなど指導者としての注意義務を怠ったと主張。病院は熱射病の症状を単なる熱中症と誤診し、全身の冷却措置を怠った過失があるとしている。

 県教委は「体罰があった」として2教諭を停職処分にしたが、提訴後の記者会見で父親の英士さん(44)は「県教委の事故調査と懸け離れた暴行があった」と語り、裁判で事故の全容解明を求める考えを示した。県教委は「誠実に対応したい」とし、同病院は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。

=2010/03/03付 西日本新聞朝刊=

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