児童買春で教員免許失効の男、県立高講師に採用
2010年3月6日5時12分配信 読売新聞
三重県教育委員会が、児童買春・児童ポルノ禁止法違反などで有罪判決を受け、教員免許を失った男(31)を、昨年5月に県立高校講師として採用していたことがわかった。
男は同年6月に勤務していた高校の女子生徒(当時18歳)の体を触り、殴ってけがをさせたとして、強制わいせつや傷害罪などで起訴され、津地裁で公判中。県教委から停職の懲戒処分を受け、すでに辞職している。
関係者によると、男は08年3月、同法や売春防止法違反などで、懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。教育職員免許法では、禁固以上の刑が確定すると免許は失効するが、男は事実を隠して採用試験を受けていた。男は5日の公判で、「履歴書に前科を書く欄がなく、面接でも聞かれなかった」と述べた。
県教委によると、男は面接の際に教員免許を持参し、「禁固以上の刑に処せられたことがない」という誓約書にサインしていた。県教委は「採用前の刑罰については、本人の申告以外に確認する方法がない」と説明、野呂昭彦知事は「今後、過去の刑罰を確認できる何らかの対策を検討したい」としている。
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<教員免許>失効知らず講師採用 三重の県立高
2010年3月5日2時32分配信 毎日新聞
三重県の県立高校が09年、刑事事件で有罪判決を受け教員免許を失った30代の男を、失効の事実を知らないまま講師に採用していたことが分かった。男は採用先の女子生徒の体を触ったなどとして、強制わいせつなどの罪で津地裁に起訴され公判中。学校側には本人の自己申告以外、失効を知る手だてがなく、教育職員免許法が定める失効規定の実効性が問われそうだ。
三重県教委は09年7月、男を停職の懲戒処分とし男は辞職した。
◇児童買春で有罪判決
捜査関係者によると男は会社員だった08年3月、出会い系サイトで知り合った少女に売春相手を紹介したとして、児童買春禁止法違反の罪で執行猶予付きの有罪判決を受けた。
教育職員免許法によると、教員免許保有者に禁固刑以上の有罪判決が確定すると、免許は効力を失う。教員は勤務地の都道府県教委に免許を返還し、教員でない者も居住地の教育委員会に返すよう義務付けられている。さらに地方公務員法では禁固刑以上の有罪の場合、執行猶予中は公立高校などの職員になれないと定めている。
しかし元講師は有罪判決後も返還せず、執行猶予中であることも明かさないまま09年5月、講師の採用試験を受け、採用された。起訴状によると、この1カ月後の09年6月、女子生徒を殴ったり体を触ったとされる。
県教委は「採用時に法律違反はないとの誓約書を書かせているが、あくまで自己申告。有罪判決を確認するのは難しい」と話す。
文部科学省の初等中等教育局教職員課は「採用時の確認方法について国は指針をはっきりと示していない。限界があるのは確かだ」と、制度上の欠陥を認めている。【岡大介】
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免許失効の元講師採用 県教委、刑罰歴把握できず
2010年3月6日 中日新聞
勤務先の高校の女子生徒に対する強制わいせつなどの罪に問われ、津地裁で公判中のが、過去に別の事件で有罪判決を受け教員免許が失効していたのに、県教委の面接を受け採用されていたことが分かった。県教委人材政策室は「刑罰歴があるかどうかは簡単に調べられず、現状では本人の自主申告でしか分からない」と話している。
捜査関係者によると、井川被告は2008年3月、出会い系サイトで知り合った少女に売春相手を紹介したとして、児童買春・ポルノ禁止法違反の罪で執行猶予付き有罪判決を受けた。教職員免許法では、禁固刑以上の有罪が確定すると教員免許は失効。教育委員会に免許の返還が義務付けられている。
しかし井川被告は免許を返さず、09年5月に採用試験を受けた。「禁固以上の刑に処せられた」など法律上の欠格条項に該当しないという誓約書にも署名していた。
起訴状などによると井川被告は同6月、名張市内の駐車場に止めた車の中で女子生徒を殴ったり体を触ったりしたとされる。県教委は7月、停職86日の懲戒処分とし、同被告は自主退職した。
5日あった公判の被告人質問で、検察官が「採用時に前科について聞かれなかったのか」と尋ねると、井川被告は「履歴書には前科を書く欄がなかった。面接でも尋ねられなかった」と述べた。
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2008年2月22日 伊勢新聞
13歳に売春相手あっせん 男に1年6月求刑 津地裁
出会い系サイトで知り合った少女(13)に売春相手を仲介したとして、 児童買春・ポルノ禁止法違反や売春防止法違反(周旋)の罪に問われた名古屋市中区、会社員井川智之被告(29)の初公判が二十一日、津地裁(鵜飼祐充裁判官)であり、井川被告は起訴事実を認めた。
検察側は論告で「携帯サイトで少女が十三歳だと広告しており犯行は悪質」と懲役一年六月を求刑。弁護側は弁論で「十分反省している」と執行猶予付き判決を求め、即日結審した。判決は三月四日。
起訴状によると、被告は平成十八年十二月三日、津市内の駐車場で、携帯電話の出会い系サイトで知り合った少女が十三歳だと知りながら、サイト掲示板を見てメールを送信してきた男を売春相手として引き合わせた。
少女が男から受け取った五万円のうち、三万円が被告に渡ったという。
井川被告は同年九月ごろから少女と交際。「二回目に会った際に別れようと思ったが、少女に『学校や親に話す』と言われ、ずるずると関係を続けてしまった」と釈明した上で、「遅かったとは思うが、事の重大さに気付き、深く反省している」と述べた。