入所児童に体罰や性的虐待 大阪府、2施設に指導

入所児童に体罰や性的虐待 大阪府、2施設に指導
2010年4月7日14時47分 朝日新聞

 大阪府内の知的障害児施設と児童養護施設で、職員らによる児童への身体的・性的虐待があったとして、府は7日、両施設に再発防止策の徹底を指導したと発表した。

 府福祉部によると、昨年9月8日、社会福祉法人が運営する知的障害児施設で実習をした短大生が指導教授を通じ、府中央子ども家庭センター(寝屋川市)に「施設職員が子どもをたたくなど体罰をしている」と通報。府が今年2月まで職員から聞き取り調査した。その結果、障害がある5〜22歳の21人が被害を受けていたことがわかった。

 男性指導員5人と女性保育士8人の計13人が、児童同士がけんかをしていた際などに頭をたたいた▽職員と子どもがけんかのようになり、顔を平手でたたいた▽児童の服をつかんでひきずったり、馬乗りやはがいじめにしたりした▽動かなくなった子どもに「早く立たんか」といって歩かせた――などの虐待を日常的に繰り返していた。けがをした児童はいないという。

 施設長も含め職員らは「こうした指導法が当たり前になっていた。注意する人もいなかった」「子どもの不適切な行為を止めるために仕方なかった」と話したという。施設は3月、府に改善報告書を提出したが、府は職員の処分案が甘いとして「第三者を入れて処分を決めるべきだ」と再提出を命じた。

 別の社会福祉法人が運営する児童養護施設では、男性の保育士(当時23)が今年1〜2月、女児2人の体を3回ずつ触ったことがわかり、府は再発防止策を4月中に提出するよう施設を指導した。保育士は2月20日付で解雇されたという。

 障害や親の養育放棄などを理由に児童が入所する施設での虐待を防ぐため昨年4月に施行された改正児童福祉法は「施設職員は入所児の心身に有害な影響を及ぼす行為をしてはならない」と定めている。

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