大阪夕陽丘学園高校教諭の解雇は無効 大阪地裁判決
2010.5.14 20:32 産経新聞
PTAから金を詐取したとして、大阪夕陽丘学園高校(大阪市)から懲戒解雇された元教諭の男性(50)が、高校を運営する学校法人を相手取り、教諭としての地位の確認などを求めた訴訟の判決が14日、大阪地裁であった。内藤裕之裁判官は「懲戒処分に値する不適切な行為だが、解雇が相当とは認めがたい」として男性の地位を認め、法人に未払い賃金など計約1900万円の支払いを命じた。
同様に加担したとして減給された女性教諭(52)も減額分約5万円の支払いを求めたが、棄却された。
内藤裁判官は判決理由で、書道部の顧問をしていた男性らが平成19年8月に合宿した宿泊施設に架空の領収書発行を依頼した上で、PTAから施設費を受け取った行為を「詐欺的」と指摘。一方で「実際に書道部が宿泊施設で作品制作を行い、施設費は部活動資金に使用された」として、解雇は重すぎるとした。
この問題をめぐっては、大阪府労働委員会が昨年11月、男性を懲戒解雇したのは教職員らでつくる労働組合への加入が理由で不当労働行為に当たるとして、学校法人に処分の取り消しなどを命じている。
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