君が代訴訟、二審も棄却 広島高裁「処分は適法」
2010/05/24 14:25 【共同通信】
卒業式や入学式で職務命令に反して君が代を起立斉唱しなかったことを理由に戒告処分にしたのは懲戒権の逸脱・乱用として、広島県の県立高校などの教諭と遺族ら男女計45人が県教育委員会の処分取り消しを求めた訴訟で、広島高裁は24日、「国歌斉唱時の起立は一般の儀礼的行為で、処分は適法」として、教諭側の控訴を棄却した。
判決理由で広田聡裁判長は「校長の職務命令は内心の精神活動に影響を与えるが、学習指導要領の趣旨にかなっており、社会に開かれた学校の行事では個々の教師の裁量はおのずから制限されるべきだ」と指摘。思想・良心の自由を定めた憲法19条の違反には当たらず、処分を適法とした一審広島地裁判決を踏襲した。
判決によると、教諭らは2001〜04年、校長の職務命令に従わず、君が代斉唱時に起立しなかったとして、戒告の懲戒処分を受けた。
公立学校での君が代斉唱をめぐっては07年、最高裁が東京都日野市の小学校入学式でピアノ伴奏を拒んで戒告された音楽教諭への職務命令を合憲と判断している。