阪大院研究室、メールで給与返金指示 別の非常勤研究員に

阪大院研究室、メールで給与返金指示 別の非常勤研究員に
2010年6月14日16時28分配信 産経新聞

 大阪大学大学院医学系研究科・医学部の元教授(64)の研究室で、研究員が給料の半額を研究室側にキックバックしていた疑惑で、別の非常勤研究員の女性が研究室側からメールでキックバックを指示されていたことが14日、わかった。キックバックを求められていたことが判明したのは4人目。阪大の調査委員会はこのメールの意図や、給与をキックバックしていたかどうかについて事情を聴くとみられる。

 関係者によると、このメールは昨年5月7日に、研究室の事務担当者が作成。研究室内のパソコンから非常勤の特任研究員の女性ら複数の関係者に送信されていた。

 件名は「お給料を教室費にバックする件について」。「ご出張中の先生(元教授)より、ご連絡がありましたので伝言いたします」と前置きし、女性に対して「以前、先生へのメールで『今年度のお給料は要らない』とのことでしたので…、お給料を教室費にバックしてくださいとのことです」などとつづられていた。同じメールは元教授にも送信されていた。

 ところが、翌8日、出張中の元教授から、この女性研究員と事務担当者に対し、給与のキックバックについて、「小生が指示したことではありません」などと、自らの関与を否定するメールが届いた。ただ、「勤務実態をチェックして、それによって報酬を考えなければいけません」と、あいまいな表現も記されていた。

 元教授は産経新聞の取材に対し「私自身はメールを打っておらず、関与や指示系統はない」と釈明している。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする