東北大院生自殺:両親「元准教授が不適切指導」 東北大などを損賠提訴 /宮城
2010年6月19日11時57分配信 毎日新聞
08年に自殺した東北大大学院生の男性(当時29歳)の岡山市に住む両親が18日、自殺は担当の元男性准教授(53)の不適切な指導が原因だとして、東北大と元准教授に約1億円の損害賠償を求め、岡山地裁に提訴した。
訴状などによると、男性は理学研究科の博士課程3年目だった06年、元准教授から論文提出の延期を指導された。07年12月には提出が認められなかった。男性はうつ状態となり、学位取得に見通しが立たないことに絶望し、08年8月に自殺したとしている。東北大の調査委員会は09年4月、「独断で2年続けて論文受け取りを拒否するなど、重大な過失があった」との報告書を発表。元准教授は翌月、自主退職した。
両親の代理人弁護士は「元准教授の処分にに関する報告書の開示を求めたがほとんど拒否された。裁判を通じ明らかにしたい」と話した。東北大は「提訴を承知していないので、コメントを差し控えたい」としている。【石井尚】
6月19日朝刊