証拠隠滅図る?本格調査直前に通帳裁断 阪大院研究室の不正経理疑惑

証拠隠滅図る?本格調査直前に通帳裁断 阪大院研究室の不正経理疑惑
2010年6月18日1時5分配信 産経新聞

 研究員給与のキックバックやカラ出張の疑惑が浮上している大阪大学大学院医学系研究科・医学部の元教授(64)の研究室で、この疑惑について大学が調査委員会を立ち上げる直前に、通帳2通がシュレッダーで裁断されていたことが17日、産経新聞の取材で分かった。研究室で管理されていた通帳とみられ、一連の疑惑にかかわるプール金の口座通帳だった可能性もある。調査委員会も把握しており、証拠隠滅などの疑いもあるとみて関係者から事情を聴くとみられる。

 関係者によると、通帳がシュレッダーで裁断されたのは5月27日昼ごろ。元教授の研究室内で行われたという。このころ阪大では、一連の疑惑について医学系研究科による事前調査がほぼ終了し、調査委員会による本格調査の準備が進められていた。

 裁断された通帳は、表紙が緑とえんじ色の計2通。片仮名で元教授の氏名が記載された紙片も確認された。

 阪大によると、調査委員会は研究室に関連する口座の存在を把握しており、その通帳の記録について調査も進めている。裁断された通帳の口座が、調査委員会が確認している口座と同じかどうかは不明。ただ、給与のキックバックやカラ出張の返金をプールしていた口座だった可能性もあり、調査委員会が関連などについて調べている。

 元教授は産経新聞の取材に対し、通帳の裁断について「私がなぜそのようなこと(重要書類の廃棄)を指示する必要があるのか。本当によく分からない。誰にも何も言っていない」と関与を否定している。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする