女子大生が京大提訴 京大教授セクハラ 調査委「懲戒」も訓告
2010年8月3日23時29分配信 京都新聞
京都大経済学研究科の男性教授からセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を受けたという女子学生の申告に、京都大の調査・調停委員会が7項目の不適切行為を指摘して懲戒相当と判断したのに対し、経済学研究科が2項目しか認定せずに訓告処分としていたことが、3日に分かった。女子学生は「関係者の影響力を排除し、全学の教職員による公正な手続きを保障した委員会設置の趣旨に反する」などと主張し、大学に約465万円の損害賠償を求めて京都地裁に提訴した。
訴状によると、京大の人権委員会ハラスメント専門委員会は2008年5月、女子学生の申し立てに基づき、複数の学部の5教員で構成する調査・調停委員会を設置した。同委員会は09年9月に(1)「大学院をやめてしまえ」という趣旨の発言(2)論文指導の拒否(3)飲食に付き合わせて体を触り、自宅に誘った−など7項目を「不適切な言動」と認め、「経済学研究科は懲戒手続きを開始するのが相当」と結論付けた。
これに対し、経済学研究科は今年3月、(1)と(2)のみを認め、教授を訓告処分とした。
京大は「対応を検討しているところです」とコメントし、調査・調停委員会と経済学研究科の判断が異なったことについては「処分内容は一切言えない」としている。
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「酒強いね…」教授2人、元京大女性院生が提訴
2010年8月4日12時8分配信 読売新聞
京都大の男性教授2人からセクハラやパワハラを受け、大学側も適切な処分をしなかったとして、元大学院生の30歳代の女性が教授2人と同大学を相手取り、慰謝料など計465万円の損害賠償を求める訴えを京都地裁に起こした。
提訴は7月14日付。
訴状によると、教授2人は経済学研究科に所属。女性の指導教授は2002年〜08年、「研究者にならないなら大学院をやめてしまえ」と言ったり、手を握って自宅に誘ったりした。
別の教授は04〜08年、「お酒が強いね。そういう職業の方が向いているんじゃないの」と発言するなどした。
原告側によると、大学は女性からの申告で調査したものの行為の一部しか認定せず、2人を訓告と口頭注意にしただけだったという。
同大学は「対応を検討している」としている。