宮城県教委、相次ぐ不祥事 綱紀粛正へ緊急対策
河北新報 2010年10月23日(土)14時24分配信
盗撮、痴漢、下着泥棒…。宮城県内で教職員による不祥事が多発している。懲戒処分の対象となる事案が過去最悪のペースで発生し、逮捕者も相次ぐ異常事態に、宮城県教委は22日、緊急対策を発表した。規律順守を目指す宣誓書の作成と全教職員の署名を各学校に求めるなど、異例の綱紀粛正に乗り出した。
緊急対策は、小林伸一県教育長が21日付で全県立学校や教育事務所など120カ所に通達した。県内の各市町村教委(仙台市除く)を通じて、25日までに全公立学校に通知する。
県教委は文書で「教職員が起こしたとは信じがたい不祥事が続いている」と強調。服務規律をめぐる職場討議を求め、その結果を宣誓書にまとめるよう指示した。
「宮城の教育を担う者として」との表題で、県教委は署名欄も設けた宣誓書のひな型を用意。「篤(あつ)い責任感と情熱を持って職務にあたる」など、誓いの記入例も指導している。
宣誓書は職員室の目立つ場所に張り出すよう指示し、育児休業などで休職中の教職員にも署名させるよう求めた。
約6800人の全教職員には「教育にかかわる使命感と誇りを再認識してほしい」と呼び掛ける小林教育長の緊急メッセージも送付した。紙の色は公文書としては異例のオレンジ色。「白い紙は書類などに埋没する恐れがあり、注意喚起のため目立つ色にした」(県教委教職員課)という。
宮城県内では4月以降、や、、など教職員の不祥事が続発している。
県教委の懲戒処分は22日現在、8件11人に上り、4人が免職、1人が停職となった。処分を検討中の逮捕事案も4件あり、信頼回復が急務となっている