論文未完の教授2人に博士号 四国大、省令違反か 徳島

論文未完の教授2人に博士号 四国大、省令違反か 徳島
産経新聞 2010年11月11日(木)7時57分配信

 四国大(徳島市)が、学位論文が未完成だった同大大学院経営情報学研究科の研究科長(65)と同科教授(74)に、論文の概要版の審査だけで博士号を授与していたことが10日、分かった。文部科学省は省令で概要版だけでの博士号授与を認めておらず、省令違反とみている。

 大学によると、2人は約30〜50ページの概要を提出して審査を受け、研究科長は平成19年1月、教授は昨年3月、博士号を授与された。研究科長は今年秋、論文を完成させたが、教授は現在も未完成。省令では学位授与後1年以内に論文を印刷公表するとされているが、2人は公表していない。

 大学側は「審査を担当した教授らは『概要版だけでも骨格やエッセンスなど十分評価でき、問題はなかった』と話しており、学位の取り消しは考えていない。ただ、文科省からの指導があれば従う」としている。

論文未提出で博士号の2教授、学位返上へ
読売新聞 2010年11月12日(金)10時37分配信

 四国大(徳島市)が、博士論文を提出していない同大大学院の経営情報学研究科長の男性教授(65)と、同科の男性教授(74)に博士号を与えた問題で、同大は11日、前日の記者会見で示した「博士号取り消しは考えていない」との方針から一転。福岡登学長らが、授与手続きにミスがあったことを認め、2人に博士号を返上させ、再審査すると発表した。

 福岡学長らが同大で改めて記者会見。文部科学省から、2人が博士論文の審査に提出した(博士論文の)概要版は論文ではなく、学位授与の手続きに問題があると指摘されたことを明かした。

 「博士論文がないので学位は授与できず、再審査が必要」と指導され、同大の学位規則で「学位取り消し」は不正があった場合のみのため、2人に博士号を「返上」させ、完全な論文を出させて再審査するという。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする