論文データ流用 岩政学長も1編共著

論文データ流用 岩政学長も1編共著
琉球新報 2010年11月27日(土)10時15分配信

 琉球大学医学研究科の男性教授が論文データを流用し懲戒解雇になった問題で、問題が発覚した論文38編のうち1編は岩政輝男・琉大学長が共著者だったことが26日までに分かった。同日あった琉大の最高意志決定機関・教育研究評議会でも取り上げられ、学内から岩政学長の責任を問う声もあった。
 問題になっているのは米学術誌「BBRC」に2007年に発表された論文。関係者によると同論文は学生の卒業審査に用いられた学位論文。学内を監督すべき学長が、学生の学位撤回の可能性もある論文に関与したことになる。
 岩政学長は医学部長当時の02年に起きた論文盗用問題に際し「研究費を確保する教授の名前を論文に加えるのは、外国でも行われている。こうした(共著者の)慣例を含め、論文審査など研究態勢の見直しを進める」と再発防止策に触れていた。
 一方で今回のデータ流用に関し医学研究科がまとめた「不正な論文発表に関する教授の懲戒解雇について」と題する通知文では、投稿前の論文を適正にチェックするなど共著者の責任明確化などが再び示され、論文審査が適正でない現状が続いていることを示した。
 岩政学長は「02年当時の問題については個別に対応した。今回の件は医学部で調査中」と話した。複数の関係者によると、問題を指摘された評議会では「勝手に共著者として掲載された。掲載は知らなかった」などと答えたという。

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