胎児の遺体1700体を30年以上放置、神奈川歯科大の元理事長ら
カナロコ 2010年12月6日(月)20時30分配信
神奈川歯科大学(横須賀市稲岡町)の教授だった元理事長(76)らが、解剖実習用として集めていたとされる胎児の遺体約1700体を一時、長期間保存したまま放置していたことが6日、大学関係者らへの取材で分かった。遺体はすでに火葬を済ませているという。同大は10月末に調査委員会を設置し、今後、長期の放置理由や引き継ぎの有無などについて、元理事長に事情を聴く方針。
関係者によると、元理事長は解剖実習を行う講座に在籍し、1960~70年代に、同市内の病院から中絶胎児を引き取ったとみられる。2004年に元理事長の後任となった教授が保存された胎児に気付いた。胎児は実習用としてはほとんど使われず、保存容器のコンテナにホルマリン漬けの状態で入れられていたという。同大は倫理上の観点から胎児を研究用に使うことは難しいと判断。同年から今年9月にかけて火葬し、市内にある大学関係の墓地に埋葬したという。
日本産科婦人科学会は、「胎児はその尊厳を侵すことなく慎重に取り扱わないといけない」とする見解を1987年に発表している。