論文ねつ造・横領の黄禹錫氏、二審も執行猶予付き有罪

論文ねつ造・横領の黄禹錫氏、二審も執行猶予付き有罪
聯合ニュース 2010年12月16日(木)13時38分配信

【ソウル16日聯合ニュース】胚性幹細胞(ES細胞)に関する論文をねつ造して研究費を獲得し、横領などの罪で起訴された元ソウル大学教授の黄禹錫(ファン・ウソク)博士の控訴審判決で、ソウル高等裁判所は16日、懲役1年6月、執行猶予2年をあらためて言い渡した。
 裁判所は「問題となった研究費は黄博士個人に支給された包括的な後援金ではなく、生命工学の研究を前提にしていたため、これをほかの用途に使ったことは横領に該当する」と説明した。
 1審で有罪とされた横領額のうち約1億500万ウォン(約764万円)は、金融取引の内訳などを考慮すると公訴事実が立証されたとはみなし難いとの理由で、無罪が宣告された。
 裁判所は「クリーンであるべき国立大学教授の身分で計画的に横領し、世界の科学界で韓国人科学者の研究結果に対する信頼が損なわれるなど罪質は軽くない」とした。一方で、クローン動物分野などで業績を挙げた黄博士に実刑を宣告し、研究の機会をはく奪することが社会的に望ましくない点などを考慮したと説明した。
 黄教授は2004~2005年、ねつ造したES細胞関連の論文を科学誌サイエンスで発表した後、論文のねつ造を隠したまま、農業協同組合とSKから研究費10億ウォンずつを受け取ったほか、新産業戦略研究所と政府からの研究費のうち7億8400万ウォンを横領した罪などに問われ、2006年5月に在宅起訴された。
 1審は、新産業戦略研究所と政府からの研究費横領と生命倫理法違反の容疑などを有罪とし、懲役2年・執行猶予3年を言い渡した。農業協同組合とSKから研究費を得たことについては、論文のねつ造と研究費支援の間の因果関係が認められないとし、無罪を宣告した。

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