飯田の委託金不正:詐欺罪で理事長ら2人起訴 実費差額1000万円超に /長野

飯田の委託金不正:詐欺罪で理事長ら2人起訴 実費差額1000万円超に /長野
毎日新聞 12月28日(火)12時5分配信

 飯田市松尾明の専修学校「飯田ゆめみらいICTカレッジ」の理事長らが、国からの委託金をだまし取っていたとされる事件で、長野地検は27日、同校理事長の槙原英勝(60)▽事務長の橋本勝行(55)の両容疑者=ともに飯田市=を詐欺罪で長野地裁に起訴した。地検によると、受給額と実際の経費の差額は、逮捕時は約737万円とみられていたが、その後の捜査で1000万円超に上ることが判明した。
 起訴状によると、同校が文部科学省から委託を受けた事業「介護職員レベルアップのための教育プログラム」について、両被告は共謀して08年3月下旬、07年度の事業費は約518万円だったにもかかわらず、同省に虚偽の請求書を提出。同年4月に約1022万円を受け取った。また、09年4月にも、08年度の事業費を実際の約466万円から水増しして約990万円を受給したとされる。
 地検によると、両被告は、実態のない出張経費を「調査旅費」として計上したり、同省の委託ではない別事業の講師の人件費を含ませるなどの手口で委託事業費を水増ししていたとみられる。
 また、08年の不正受給について、同校の元職員1人も共謀していた疑いがあるという。地検は現在、元職員に任意で事情を聴いているが、立件するかどうかは明らかにしていない。
 起訴を受け、同校は槙原被告が11月末に提出していた辞表を受理。当面は坂巻道弘校長が引き続き理事長代行を務める。橋本被告の処分は「裁判の経過を見て検討する」(坂巻校長)という。【大島英吾】

12月28日朝刊

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