ストーカー教諭:不適切行為認定、懲戒処分は求めず--甲府市教委再調査 /山梨

ストーカー教諭:不適切行為認定、懲戒処分は求めず--甲府市教委再調査 /山梨
毎日新聞 2011年1月12日(水)12時48分配信

 ◇「注意後被害ない」
 部活の教え子の女子生徒に一昨年、ストーカーまがいの行為を繰り返していた甲府市立中学の男性教諭に対し、市教育委員会が口頭注意にとどめていた問題で、市教委が再調査の過程で初めて被害者側と面会して聴取を行い、「不適切な行為」と認定したことが分かった。ただ「注意後に生徒への被害が継続していない」などとして、12日にも、懲戒処分は求めない内容の報告書を県教委に提出する。
 再調査では、教諭が連日深夜まで生徒にメールを送ったり、激高し「人間のくず」と呼ぶなどの高圧的な指導をしたことが判明。生徒が担任に相談して問題が発覚した09年2月以降も▽「会いたくない」とおびえて面会を拒む生徒に無理やり自宅で面会した▽部活の他の部員に手紙を渡して生徒を説得させ部活に参加させようとした--なども把握した。
 また複数の部員の保護者が「特定の生徒に対し異常な行動だ」と学校に抗議し、教諭が今後一切の接触を行わない内容の念書を書いていたことも確認できたという。
 一方、確認できたメール内容には勉強の指導も多く、教諭が注意を受けた後、被害者へ接触を行っていないことから、市教委は「異常な事態で不適切な行動だったが、注意の効果が表れており、当時の判断は妥当だった」とし、ストーカー行為には当たらないと判断した。
 担任が生徒の被害内容をまとめて市教委学校教育課長に出した報告書が行方不明になっていることについては、当時の課長は再調査の聴取に「報告書があったか記憶がない」と説明しているという。現在の学校教育課の平井政幸課長は取材に対し、今後、同じ行為を別の教諭が行った場合は「懲戒処分対象になる」と話した。市教委の河西衛総室長は「市教委として事実確認し、当時の口頭注意は適切だったと判断した。二度とあってはならない事案で、再発防止策に努めたい」と釈明した。
 一方で、処分を検討する県教委の関係者は「被害者や保護者の立場からすれば、不処分は到底納得できないだろう。『子どもを守る』という基本姿勢が感じられない対応で、教育行政全体への信頼が揺らぎかねない」と市教委の対応を疑問視している。【中西啓介】

1月12日朝刊

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 生徒と自身をパチンコ台に登場する若い男女のキャラクターに例えて「マリンとサム」と呼んだり、生徒の容姿を「芸能人目指しても良いかも。顔だけはかわいいから」などと批評していた。

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