ストーカー教諭:甲府市立中成績流出 市教育長ら陳謝 校長ら隠ぺいで処分へ /山梨
毎日新聞 2011年1月19日(水)12時53分配信
◇校長、報告せず
09年1~2月に部活の教え子の女子生徒にストーカーまがいの行為を繰り返し口頭注意を受けていた甲府市立中学の男性教諭(50)が直後の同年3月、成績表の処分を男子部員にさせ全3年生の学力テストの成績が外部流出した問題で、市教委は18日記者会見し、長谷川義高教育長が「秘密にすべき情報が漏れたことを深くおわびする」と陳謝した。教諭は近く県教委により懲戒処分される見通し。当時流出問題を調査しながら市教委へ報告しなかった校長ら隠ぺいに関与した教員も、処分される見込みだ。【中西啓介】
市教委は12日の毎日新聞の取材で成績流出を初めて知り、当時の校長や3年の担当教員への調査を行ってきた。近く、教諭の懲戒処分を求める報告書を県教委に提出する。
会見冒頭で、長谷川教育長や近藤紀夫教育部長ら市教委幹部3人が、深々と頭を下げて陳謝。長谷川教育長は「問題を校内で処理し市教委への報告を怠っていた。関係者の処分は厳しく対処する」と険しい表情で語った。
市教委によると、教諭は他の中学への異動前の3月末、「年度末で忙しい」として、顧問を務める部活の3年の男子部員3~4人に、生徒指導主事として利用していた相談室の荷物の処理を手伝わせた。書類のシュレッダー掛けを任された2人が、全3年生約160人分の3回分の学力テストの点数一覧が記された「素点表」計12枚を見つけ持ち出した。
成績を口外された生徒の保護者から通報があり、学校側は素点表を回収。学年主任と担任が被害者宅を訪れて謝罪したという。素点表は3~7日間、流出していた状態だった。
会見では、「意図的に問題を隠していたのでは」との質問に、市教委側は「学校の判断の甘さ。不適切な対応だった」と述べるにとどまった。また、2年間、市教委が成績流出を把握できていなかったことに、長谷川教育長は「市教委として責任を感じており、私の責任も含め処分を検討する。今後、不祥事をきちんと報告するよう校長に指導していく」と話した。
1月19日朝刊
過去記事
生徒と自身をパチンコ台に登場する若い男女のキャラクターに例えて「マリンとサム」と呼んだり、生徒の容姿を「芸能人目指しても良いかも。顔だけはかわいいから」などと批評していた。
生徒は「気持ち悪い」としてメールを消すなどし、同2月末に他の教員に相談し、発覚した。その後、男性教諭は生徒の家に押しかけ、無理やり面会しようとしたという。