ストーカー教諭:「セクハラ該当行為あった」 教育長「調査で判明」 /山梨
毎日新聞 2011年1月25日(火)11時39分配信
◇保護者保管のメールを確認 県教委に報告へ
09年に教え子の女子生徒にストーカーまがいの行為を繰り返していた甲府市立中学の男性教諭(50)に対し、市教委が口頭注意にとどめていた問題で、市教委が24日から新たに再調査に乗り出したことが分かった。長谷川義高教育長は21日に生徒の家族に謝罪。取材に対し「新しい情報が分かった。セクハラに該当する行為があり、現時点では懲戒処分にならざるを得ない」と話している。市教委は先月、毎日新聞の報道を受けて再調査を始め、いったんは、教諭の処分を求めない内容の報告書を県教委に提出していた。今後、ストーカーやセクハラ行為が確認されれば、改めて県教委に報告書を追加提出する。【中西啓介】
市教委は先月からの再調査では、教諭の行為を「不適切」としたが、「口頭注意後に生徒への被害が継続していない」と判断していた。
長谷川教育長は生徒側と面会した際に、保護者が保管していた教諭からのメールを確認。市教委が把握していなかった内容のメールの提供を受けたという。中には、生徒を水着姿のSFアニメのキャラクターに例え「イメージぴったり」と表現した文章もあった。長谷川教育長は取材に「こんな破廉恥なキャラクターに生徒を例えることなど、考えもつかないことだ」と話す。
他にも、ハートマークや丸秘の絵文字などがメールに使われており、保護者が長谷川教育長に「恋愛関係にないと成り立たない文章」と不信感を伝えていた。
これまでの調査では、教諭は生徒と自身をパチンコ台に登場する若い男女のキャラクターに例えて「マリンとサム」と呼んでいたことが分かっていた。
また、教諭が千葉県の大型観光施設などに私的な旅行に出かけた際、この生徒だけに土産を買い、手渡していたことも、市教委は新たに把握した。教諭はその際、「1人で受け取りに来い」と相談室に呼び出していた。
教諭からの執拗(しつよう)なメールや、無理やり家に押しかけられたことなどを、生徒側が当時から「ストーカー行為」と受け取っていたことも、市教委は今回、初めて確認した。生徒は教諭の行為を不快に感じていたが、拒絶すると激高し出す教諭におびえ、断れなかったという。
一方、既に県教委に提出した報告書について、長谷川教育長は「先月24日に市教委職員が生徒家族に面会し、聞き取り調査を行ったが、分析が甘かった」と釈明している。
教諭は既に、09年3月に3年生全員の学力テストの成績を外部流出させたとして、県教委に懲戒処分される見通しになっている。
1月25日朝刊