<甲府市教委>「ストーカー行為」認定 中学教諭懲戒処分へ
毎日新聞 2011年1月28日(金)2時34分配信
甲府市教育委員会が、部活の教え子の女子生徒にストーカーまがいの行為を繰り返していた市立中学の男性教諭(50)を口頭注意にとどめていた問題で、市教委は教諭の行為を「ストーカー的行為」と認定し、人事権をもつ山梨県教委に懲戒処分を求める方針を固めた。長谷川義高・市教育長の指示を受け再々調査を実施。顧問弁護士に相談した結果、ストーカーやセクハラ行為を禁じた県教委の懲戒指針に触れると判断した。
この問題を巡っては、市教委は先月の毎日新聞の報道を受け、再調査を実施した。教諭の行為を「不適切」としたものの「生徒への被害が継続していない」と判断。口頭注意の効果があったとし、処分を求めないとする報告書を県教委に提出していた。
しかし、長谷川教育長が今月21日、被害生徒の保護者に謝罪した際、保護者が保管していたメールを提示。その中に、教育長や市教委が把握していなかった内容があったため、メールの提供を受けて再々調査に乗り出した。
市教委によると、提供されたメールには女子生徒を水着姿のSFアニメのキャラクターに例え「イメージぴったり」と表現した文章があり、ハートマークや「丸秘」を意味する絵文字が頻繁に使用されていた。保護者は「恋愛感情がないと成り立たない文章」と訴えたという。
これを受け、市教委は初めて顧問弁護士に相談。メールの内容や頻度、深夜まで送りつけていたことなどから、県教委の懲戒指針に触れると判断した。週明けにも教諭本人への聴取をした上で、県教委に出し直す報告書を作成する方針だ。
市教委学校教育課の平井政幸課長は「1回目の報告書の作成段階で、内部だけで判断せず、弁護士へ相談するべきだった。おわびするしかない」と話している。
教諭については、09年3月に3年生全員の学力テストの成績表を流出させたとして、市教委が懲戒処分を求めることを決めている。【中西啓介】