<樟蔭東学園>顧問に4億8000万円融資 回収不能の恐れ
毎日新聞 2011年8月5日(金)15時5分配信
東大阪市で短大・高校・中学校を運営する学校法人「樟蔭東学園」(高橋努理事長)が学園顧問の=大阪府茨木市=に計4億8000万円を短期融資し、4億3000万円分の回収が滞っていることが分かった。当初は無担保で、国の指導で担保物件を取ったが資産価値が低く、融資が焦げ付くと巨額の損失を被る可能性が高い。
で、過去に同法人からも巨額の不適切融資を引き出し、法人が国から補助金不交付処分を受けている。
樟蔭東学園は樟蔭東女子短大、樟蔭東高校、樟蔭東中学(学生・生徒計601人)を経営。10年度までの5年間に国や自治体から計約14億円の補助金を受給し、税制上の優遇措置も受けている。
学園によると、小山氏は07年に学園に資金援助した際、合意書で理事人事権を握った。学園は09年にグラウンドの一部を22億円余りで売って債務14億円を返済し、残りを運営資金に充てた。小山氏は10年、理事長に自身への短期融資を求め、同年3月と4月、理事会決議を経ず無担保で計3億8000万円を借りた。理事会は全会一致で事後承認した。
外部通報で知った文部科学省や府は10年夏以降、学園に即時回収を再三指導。理事長は返済を求めたが、小山氏はこれまで5000万円しか返済に応じていない。ところが、理事会は返済期限を延長したうえ、今年4月、小山氏の求めに応じ1億円を追加融資した。
同省などによると、約3億8000万円は小山氏の長男が理事長の学校法人「藍野学院」(茨木市)の学生寮建設に、残り1億円は小山氏の借金返済に使われたという。【古関俊樹、後藤豪】