「負傷後も練習強いられ後遺障害」元ソフトテニス部員が提訴

「負傷後も練習強いられ後遺障害」元ソフトテニス部員が提訴 
産経新聞 2011年8月30日(火)14時27分配信

 ソフトテニス部の部活動で負傷した後も練習や雑用を無理強いされたため足に後遺障害が残ったとして、奈良育英高校(奈良市)の1年生だった女性(19)と両親が顧問の男性教諭と学校法人に約4600万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしたことが29日、分かった。学校側は同日開かれた第1回口頭弁論で、「部活動と現在の症状とは因果関係がない」と争う姿勢を示した。

 訴状によると、同校ソフトテニス部は全国大会に毎年出場する強豪。女性も中学時代にソフトテニスで近畿大会に出場しており、平成19年4月、スポーツ推薦で進学した。

 しかし、入学直前に参加した練習中に右足首を捻挫。その後、病院で「有痛性外脛骨(がいけいこつ)」と診断されたため、診断書を顧問に提出。「練習を控えて安静にするように」という医師の指示も伝えたが、松葉づえで参加するよう命じられた。

 同年7月に両足首を手術した後、部活動に復帰した際にも「長時間の歩行や前傾姿勢が困難」と伝えたが、ラケットのガット張りやボトルケースの運搬などの雑用を命じられた結果、症状が悪化。顧問はその間も、「練習を見学してばかりいるせいで、チームの士気が下がる」などと暴言を吐いていたという。

 女性はその後、階段の上り下りが困難になり、数百メートル歩いただけで激痛が走るように。医師から「障害は半永久的に続く可能性がある」と告げられ、今年3月、奈良市から身体障害者6級の認定を受けた。

 女性の母親は「娘は長時間立ち続けることができなくなり、美容師になる夢をあきらめざるを得なかった。裁判で責任を明らかにしてほしい」としている。

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