後絶たない教員不祥事 静岡県

後絶たない教員不祥事
2011年9月29日 読売新聞

盗撮やセクハラ
 浜松市の県立高校に勤務する男性教諭が27日、女子高校生のスカート内を盗撮した疑いで逮捕された。県内では教員による性的不祥事が後を絶たず、県教委は頭を抱えている。(古屋祐治、横井美帆)

 ■「忙しさのはけ口」

 県迷惑防止条例違反(盗撮)容疑で逮捕された県立浜松南高校教諭山村元容疑者(44)は浜松東署の調べに対し、「仕事の忙しさと性的欲求のはけ口だった」などと供述しているという。カメラ内には被害者と別のものとみられる映像が残っていることなどから、同署は余罪がある可能性が高いとみている。

 同署は28日、山村容疑者を同容疑で静岡地検浜松支部に送検した。

 ■生徒「裏切られた」

 同校によると、山村容疑者は教員歴20年以上のベテラン。学校では担任を任され、生活指導に携わるなど、「指導の核となる存在だった」(県教委)。

 担任教諭が山村容疑者という男子生徒(15)は「明るくておもしろい先生で、そんな風には見えなかった。裏切られたという気持ちと信じられないという気持ちが半々くらい」と目を伏せた。別の女子生徒(15)は「人当たりがよく、まじめなイメージ。女子からの評判も悪くなかった。盗撮なんかをやりそうな人ではない」と驚きを隠せない。

■性的不祥事、顕著に

 教員や講師に対する県内の懲戒処分は、2008年度に16件、09年度10件、10年度16件。今年度もすでに4件の処分が出たが、近年顕著なのはセクハラや盗撮といった性的不祥事だ。

 今年8月には、がセクハラをしたとして停職3か月、は、指導名目で女子生徒の体を触るセクハラをしたとして懲戒免職処分を受けている。

 この問題を受け、県教委は公立小中学校を受け持つ各市教委や県立高校の校長に対し、セクハラ行為の根絶を目的とした研修の実施を要請した。ただ、山村容疑者も8月31日に勤務先で行われた研修に参加していたという。

■対策に決定打なく

 県教委は今後の対策を模索しているが、決定打はみつからず、「職に対する自覚が欠如している。根本的な問題解決は難しい」と頭を抱える。

 企業法務に詳しい九州大大学院法学研究院の阿部道明教授(60)は「校長や教頭らがわいせつやセクハラといった問題に特化した注意喚起を、職員らに対して根気強く続けていくしかないのでは」と話している。

□教員による性的不祥事 性的不祥事による教員の処分は全国的にも問題になっている。文部科学省のまとめでは、2009年度、138人がわいせつ行為で懲戒処分を受けた。10年前の1999年度(97人)の約1.4倍にあたる。同省では、都道府県教委に指導強化を要請しているが、取り組みは各自治体に任せているのが現状という。

浜松市南区東若林町の量販店で、同市在住の女子高校生(17)に背後から近づき、ショルダーバッグに入れた小型カメラで下半身を撮影したとしている。

知人女性と2人で飲食をした後、酔った女性を自宅に送り、女性宅で体を触ったという。

吹奏楽部が30日開催の県東部大会出場に向けて宿泊していた焼津市内のホテルで、自室に部員の女子生徒を呼び、呼吸法を指導するといって、生徒が拒否するにもかかわらず、ベッドに寝かせて下着を脱がさせ、胸の間を手で触ったとされる。

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