教員不祥事:急増 「オール静岡で対策を」 県教育長、危機感募らせ /静岡

教員不祥事:急増 「オール静岡で対策を」 県教育長、危機感募らせ /静岡
毎日新聞 2011年10月29日(土)10時36分配信

 教員の不祥事が止まらない。28日、を受け、県教委などによると、公立学校の教諭による性的不祥事は今年度に入り7件に上る。昨年度の年間件数5件を半年余りで上回るハイペース。各学校では対策を講じているが、要であるべき校長の不祥事に、安倍徹県教委教育長は「行政の管轄を超えたオール静岡で、これまで以上の対策を取らなければいけない」と危機感を募らせた。【仲田力行、平塚雄太】
 ◇静岡市、公表基準検討も
 市教委によると、この日カラオケ店でのセクハラで停職3カ月の処分を受けた市立小学校の50歳代の校長は、「自分の思いを前面に出し、職員を引っ張っていくタイプ」で、職員の信頼も厚かったという。だが9月23日深夜、ビール1本、日本酒5杯、ワイン2杯などを飲んで酔い、被害女性にキスをしたり、体を触るなどの行為に及んだ。校長は処分を受け辞表を提出した。
 市教委は31日に市立の小中学校、高校の全132校に呼びかけ臨時校長会を開く。市教委職員が各校を訪れて校長との面談時間を増やし、勤務状況だけでなく私生活も把握していく他、懲戒免職時だけ校名を明らかにする不祥事の公表基準も変更を検討するという。
 県教委は05年度に発行した学校研修資料「信頼にこたえる・不祥事根絶のために」の改訂版を今年6月に配布した。静岡市教委も県の資料を活用するよう、毎年の校長会で指導の徹底を呼びかけているが、相次ぐ不祥事はこうした対策が十分な抑止になっていないことを物語る。
 教員生活38年の県高等学校校長協会会長の浅羽浩・静岡高校長は「かつては教育現場での悩みを語り合ったりする密度の濃い同僚がいたが、最近は多忙と人間関係の希薄さで、悩みを一人で抱え込みやすく根が深い」と背景を指摘する。
 今後の対策については「どんなに優秀と思える教員も人間なので、過ちを犯す可能性を絶えず疑いながら、管理職は危機管理に努めなければならない時代になったのではないか」と話している。
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 ◇今年度の公立校教員による主な性的不祥事
 8月10日 知人女性へのセクハラでが停職3カ月
   22日 部活動の女子生徒にセクハラをしたとして、県東部の県立高の男性教諭(40)が懲戒免職に
 9月27日 女子高生のスカート内を盗撮したとして、が逮捕される
   29日 のぞき目的の住居侵入容疑で逮捕(後に起訴猶予)されたが停職6カ月に
10月17日 補講指導中の女子生徒にキスをしたなどとして、が強制わいせつ容疑で逮捕
   25日 男子生徒にわいせつな行為をしたとしてが逮捕される
   28日 カラオケ店での女性へのセクハラでが停職3カ月に
 =県教委、静岡、浜松市教委調べ(年齢は当時)

10月29日朝刊

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