なるほドリ:ダブル選争点の「2条例案」って? /大阪
毎日新聞 2011年11月22日(火)13時7分配信
◇維新の会が府議会提出 賛否分かれ論戦の焦点に
なるほドリ 知事・大阪市長のダブル選で、争点の一つに「2条例案」っていうのが上がっているね?
記者 大阪維新の会が府議会に提出している「教育基本条例案」と「職員基本条例案」のことですね。教職員や府職員の規律を定めたもので、ダブル選でも賛否両論に分かれ、論戦の焦点の一つになっています。維新は選挙結果を踏まえ、可決を目指していく方針です。
Q どうして反対論が出ているの?
A 特に議論が白熱しているのが教育基本条例案です。この条例案には知事が教育目標を設定し、達成しない教育委員は罷免することや、全府立高校長の公募、3年連続定員割れの府立高校の統廃合などが盛り込まれました。「教育への政治介入」を問題視する意見があり、府教育委員5人が条例案を撤回しなければ辞職する意向を表明しました。大阪市長選では条例案の必要性を訴える維新代表の橋下徹氏(42)に対し、現職の平松邦夫氏(63)=民主府連支援、自民府連支持=が「政治介入は教育の根幹に関わる問題」として反対しています。
Q それでも、維新がこの条例案にこだわるのはなぜなの?
A 「教育の中立性」の観点から教育委員会制度が特権的と映るためで、知事選では維新幹事長の松井一郎氏(47)は「教育現場に民意を反映させるため」と説明しています。一方、倉田薫氏(63)=民主府連支援、自民府連支持=は「上から目線の条例案」と批判し梅田章二氏(61)=共産推薦=も「教育を破壊する」と反対しています。
Q 職員基本条例案の方には反発は出ていないのかな。
A 職員基本条例案は懲戒処分や分限処分など職員の処分基準を示し、5段階で職員を評価する人事評価制度の導入や幹部職員の公募制を盛り込みました。これに対し、府総務部は「職員の士気に影響する」などと反発し、異例の質問状を提出しました。市長選、知事選でも賛否が分かれており、維新は2条例案の修正にも応じる構えを見せています。<回答・高山祐(社会部)>