(朝鮮日報日本語版) 生徒・学生が証言する政治的偏向授業 (韓国)

(朝鮮日報日本語版) 生徒・学生が証言する政治的偏向授業
朝鮮日報日本語版 2011年12月17日(土)11時17分配信

 「先生は教室で全国教職員労働組合(全教組)出身の教育監(教育長に相当)候補者選挙の名刺を生徒たちに回覧しましたが、これは正しいことですか」(高校3年生)

 16日午前10時、国会議員会館の小会議室。来年2月に高校を卒業する生徒2人と大学生2人が、一部教師の政治的偏向授業を暴露した。チョ・ジョンヒョク国会議員(ハンナラ党)が保護者団体などと共に「政治的に偏向傾向を持つ教師」の問題を話し合う場を設けたものだ。この討論会には保護者や教育科学技術部(省に相当)の担当者ら約100人が出席した。

■授業の中に政治的発言

 釜山から来た高校3年の生徒(18)は「2年生のときの国語教師は、授業時間中に『最近の新聞やニュースを見ると、韓国の政治はおかしい』と言ったほか『進歩(左派)政権が執権していたときは北朝鮮とも和解ムードがあり、平和的だった』と当時の政権を支持した」と述べた。また「米国産牛肉の輸入問題で李明博(イ・ミョンバク)政権の支持率が下がると、授業時間中に、李大統領を皮肉ってネズミの姿で描いた主要20カ国・地域(G20)首脳会議のポスターを見せ『このネズミは李大統領に本当によく似ている。やることもネズミと同じだ』とためらうことなく言った。2年生のときの漢文教師は『保守系新聞を読むと認識が保守傾向になる』と言い、ほかの新聞を読むよう強要した。『お前たちみたいに若いやつはこんなの読んだらダメだ。保守的な大人が読むものだ』とも言った」と証言した。

 仁川に住む高校3年生は「社会科教師は韓米自由貿易協定(FTA)や米国産牛肉輸入反対デモ、4大河川(漢江・洛東江・錦江・栄山江)事業反対デモに生徒を連れて行っただけでなく、(デモ参加のため)夜間自習時間を取りやめにした。生徒たちとデモに行ってから一緒に食事し、ビール飲んだ話を武勇伝のようにしていた」と語った。さらに「(生徒の知識や技能を測る)遂行評価で4大河川事業をテーマに発表したが、4大河川事業に賛成する意見について社会科教師はその場で反論して陰謀説まで持ち出した。4大河川事業に反対する発表についてはすぐに納得し『忠清南道知事や野党はよくやっている』と言った。これは果たして先生の言動として正しいのか疑問に感じる」と述べた。

■「政治的偏向授業を防ぐ制度が必要」

 京畿道華城に住む大学1年生は「高校1年生のとき、韓国史の教師は学期の初めに李大統領をののしって非難した。そして、遂行評価でクラスメートが米国産牛肉の輸入問題と李大統領を風刺する絵を描いたところ、絶賛した。近現代史の教師は『ニューライトのような親日団体は跡形もなく消えるべき』とひどくののしっただけでなく、朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領については『歴史の厳正なる評価が必要だ。日本から経済援助を受けようとわが国の先祖を売り飛ばした。満州(現・中国東北部)で日本軍に仕え、独立軍を虐殺した』と言った」と証言している。

 同日の専門家討論会に出席した韓国教育総連合のキム・ドンソク報道担当は「生徒・学生たちが自ら、教師による政治的偏向授業について述べたのはかなり異例。政治的偏向授業が甚だしい教師は法的に処分できるよう、制度的に補う必要がある」と述べた。

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