入学金42万円も不明 職員着服問題調査結果 名張市、告訴へ 三重

入学金42万円も不明 職員着服問題調査結果 名張市、告訴へ 三重
産経新聞 2012年1月5日(木)7時55分配信

 名張市立看護専門学校の会計担当の職員2人が約1000万円を着服した問題で、市は4日、調査結果を公表し、近く刑事告訴する方針を明らかにした。着服された授業料は平成19年度から約5年間にわたり計1087万5千円で、新たに入学金も18年度からの4年間に42万円が不明になっていることがわかった。また、着服した前任の男性職員(39)を懲戒免職、現職の女性職員(42)を停職6カ月とするなどの同日付の処分を発表した。2人は全額を弁済しているという。

 市によると、授業料は窓口で現金納付された分の一部を抜き取り、授業料収入に関する資料も改竄(かいざん)していたとみられる。調査に対し、男性職員は「自分の前任者が中途退学者への還付金を個人的に立て替えているので、かえす必要があった」などと話しているが、そうした事実は確認されなかったという。女性職員にも同様の内容の話でだまし、金を抜き取らせ、受け渡しをしていたらしい。

 一方、入学金に関する不明金は男性職員の在職中に発生。男性職員は「関与したかどうかは覚えていない」としているという。

 市は男性職員の動機や金の使途が不明で、女性職員も適正な会計処理を怠ったとして刑事告訴の方針を決定。処分は2人のほか、学校長(51)ら6人の管理・監督責任も問い減給10分の1、1カ月。さらに亀井利克市長を減給10分の2、3カ月、前田國男副市長を同10分の1、3カ月とする議案を2月にも開かれる臨時市議会に提案する。

 再発防止に向けては、同日付で市の全職員にも適正な会計事務処理を徹底するよう求める通知を出したほか、同校窓口での現金納付の廃止などの措置を取るという。

 会見に出席した亀井市長は「今後、このようなことが二度と起こらないよう、職員にコンプライアンス(法令順守)教育の徹底を図り、信頼回復に全力で取り組んでいく」と強調した。

 また、この日の市の仕事始め式で亀井市長は約200人の出席者を前に処分の内容なども報告し「財政再建(計画)が最終章を迎える年に、断腸の思い」と述べた。

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