<東工大不正経理>「岡崎氏の関与認められず」 学内調査委
毎日新聞 2012年1月19日(木)20時32分配信
東京工業大の次期学長に選任された岡崎健・前工学部長(62)に研究費不正の疑いが持たれている問題で、学内の特別調査委員会は19日、調査結果を公表した。岡崎氏の研究室で、国の規定で禁止されている「預け金」「分割発注」「合算使用」を行っていたと認定した。一方で、岡崎氏自身の関与は認められず、研究室に所属する男性教員が関与した可能性が高いとした。
同大は同日付で「責任所在委員会」を設置、関係者の処分を検討する。
問題となったのは、04年度の「新エネルギー・産業技術総合開発機構」の委託研究費と国の「科学研究費補助金」の物品購入費計約255万円。調査結果によると、うち約127万4000円が翌年度の05年7〜10月に納品されたノートパソコンや増設メモリーなどの購入に使われており、翌年度にまたいで購入することを禁止する「預け金」と認定した。05年2〜4月に納品された高性能パソコン1台(約127万4000円)が複数の研究費で購入されており、「分割発注」と「合算行為」にあたるとした。
岡崎氏は特別調査委の聞き取りに関与を強く否定し、特別調査委も「未関与を覆す資料が得られなかった」とした。一方で研究室所属の男性教員が、高性能パソコンの購入方法を納入業者に指示していたことから、「岡崎氏以外の教員が重要な役割を担っていたとうかがえる」とした。
調査結果は26日開催の学長選考会議で報告される。岡崎氏は11年10月に学長に就任予定だったが、研究費不正の疑いが発覚。学長任命権のある文部科学省が経過を見守るとして、就任を留保されている。【神保圭作】