無資格で授業 誠英高講師
中国新聞 – 2012年1月27日
防府市の私立誠英高で昨年4月以降、女性の非常勤講師が免許のない情報処理に関する授業を単独で続けていたことが27日、分かった。学校側の制度の認識不足が原因で、このままでは生徒は単位を取得できない。卒業などに影響が出るため、学校は急きょ補習を計画しているが、年度末までに40時間前後の授業が必要になる。
山口県学事文書課や同高によると、問題の授業は1、2学期の福祉科1年(51人)の「情報A」と、普通科情報文化コース2年(29人)の「図形と画像の処理」。情報の教員免許を持つ教員と合同で授業を行う必要があったが、実際は非常勤講師1人で教えていた。
非常勤講師は昨年3月末まで数学教諭として勤務。学校は「免許外教科担任」の制度を利用し、情報の授業を単独でさせていた。しかし、4月から非常勤講師に変わったため、制度を利用できなくなっていた。
学校側は複数教員が同じ教室で教えるチーム・ティーチング(TT)の制度を導入。この際、指導計画などを作成すれば、免許を持つ教員は教室内にいなくてもいいと誤って制度を解釈していた。
保護者が17日、県に相談し、発覚。県は18日に口頭で是正を指示した。
生徒はこのままでは単位を所得できない。取得には、福祉科1年で計44時間、普通科情報文化コース2年で計37時間の補習が必要となる。学校は放課後や土曜日などに授業を行って対応するという。
小松徹校長は「生徒や保護者に申し訳ない。講師に落ち度はなく管理者側の責任です」と陳謝。2月4日に保護者会を開き、事情を説明する。