元講師側、逆転敗訴

元講師側、逆転敗訴
2012年02月23日 朝日新聞

 私立加茂暁星高校(加茂市)に非常勤講師として長年勤めた女性2人が、「突然雇い止めされたのは不当だ」として同校を経営する加茂暁星学園を訴えた訴訟の控訴審判決が22日、東京高裁であった。井上繁規裁判長は、2人の解雇を無効とした一審・新潟地裁判決を取り消し、請求を棄却する逆転判決を言い渡した。

 原告は同校の元非常勤講師の赤井くるみさん(57)と山田ユリ子さん(58)。1年ごとに雇用契約を更新して赤井さんは25年間、山田さんは17年間勤めたが、カリキュラム変更で非常勤講師の担当授業が減ることなどを理由に2007年3月、契約を打ち切られた。

 10年12月の一審判決は「解雇権の乱用にあたる」と認め、雇い止めは無効と判断。雇用が続いていれば支払われたはずの賃金などを払うよう学園に命じた。

 しかし、高裁判決は、非常勤講師は専任教員と立場が違い、雇い入れ通知書にも期間は1年と書かれていると指摘。「次年度に授業を担当できるかわからないのに『雇用が続く』と期待できるとはいえない」と述べ、雇い止めは不当ではないと結論づけた。

 判決を受けて、原告の赤井さんは「大変残念。25年間学校づくりに携わってきたことを全く考慮してもらえなかった」と声をつまらせた。原告側代理人の金子修弁護士は「最高裁判決などで非正規労働者の権利を保護する考えが定着してきているのに、その流れに反する判決だ」と批判した。(高見沢恵理)

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