旅費二重取り問題で調査対象の秋田大教授 副学長昇格か

旅費二重取り問題で調査対象の秋田大教授 副学長昇格か
2012年03月01日木曜日 河北新報

 秋田大医学部の60代男性教授が旅費を二重に受け取ったとされる問題で、教授が新年度、副学長に昇格する可能性が高いことが29日、分かった。大学本部が組織改編で副学長を増員するのに伴い、学長特別補佐を務める教授を格上げする人事。大学の調査委員会は現在も教授の旅費の使い方などの実態を調べており、学内には「調査対象の教授を副学長にするのか」と批判の声も出ている。
 大学関係者によると、吉村昇学長が1月の教育研究評議会で、副学長を現在の3人から7人にする組織改編案を提示。増員する4人は大学付属施設のトップを務めるなど幹部級の教授で、その中に旅費問題での調査を受けている教授が含まれていた。
 任命権限を持つ吉村学長は、この教授の副学長昇格について「副学長を増やして大学本部の役割を強める狙いがある」として、前向きな姿勢を示している。
 ただ、吉村学長は「あくまで調査委の報告次第」としており、教授に懲戒処分などの厳しい結果を求める報告があった場合は、教授を副学長に据えず、副学長1人を一時空席にすることも視野に入れている。
 教授をめぐっては2011年12月に設置された調査委が、学内に資料が残る06〜10年度の5年間を対象に、出張時の交通費や宿泊費といった旅費、大学以外の病院などで働く兼業を調べている。
 08年5月の出張では、教授が交通費を大学を含む3者から受け取った疑いがあることが判明。家族が住む京都府に出張で宿泊し、大学から宿泊費を不適正に受給した可能性も浮上している。

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