<東工大>委託事業で研究者がデータ捏造 燃料電池開発
毎日新聞 2012年2月24日(金)20時40分配信
東京工業大(東京都目黒区)は24日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から委託された燃料電池用触媒の開発研究で、中国籍の男性研究員(35)がデータの改ざんや捏造(ねつぞう)をしていたと発表した。研究員は不正行為を認めており、単独で行ったという。同大は週明けにも研究員と、研究を統括する教授の処分を発表する。
このプロジェクトは、09〜12年度に東工大などが委託を受けた、燃料電池開発に関する2事業(事業費総額約14億円)。より安価で発電効率がいい触媒の研究などを行った。
東工大によると、研究員は発電性能を良く見せるためにデータそのものを書き換えるなどした。研究成果を報告した論文は海外の専門誌に掲載され、特許も出願していた。
昨年8月、プロジェクトに参加する企業から指摘を受け、不正が発覚。研究員は大学側に「世界で行われている触媒技術の成果に合わせるような形で捏造をしてしまった」と話しているという。
NEDOは委託事業費の返還を求めるなどの処分を検討している。【神保圭作】