対馬の乳児殺人死体遺棄:元保育士認める−−地裁初公判 /長崎
毎日新聞 2012年3月20日(火)14時43分配信
生後間もない女児を殺害し、遺体をバケツにセメント詰めにして対馬市の保育所に放置したとして、殺人と死体遺棄罪に問われた同市美津島町、元保育士、勝見久美被告(39)の裁判員裁判の初公判が19日、長崎地裁であった。勝美被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
起訴状などによると、勝見被告は10年3月20日、軽乗用車内で生後8日の女児の鼻や口をふさぎ、首を圧迫するなどして殺害。同日中に遺体をビニール袋に入れ、市内の保育所の押し入れに遺棄。4月2日ごろ、同所で遺体をバケツにセメントで固め、押し入れ天袋内に再び隠したとされる。
冒頭陳述で検察側は、この事件の前、05年〜08年に3人の乳児を死産し、遺体を畑で焼却したり、自宅納戸に隠すなどしていたと指摘。「犯行態様が非人道的」「交際相手との関係維持のためなど、動機は身勝手で人命軽視も甚だしい」と述べた。一方弁護側は「犯行直前まで殺害を考えたことはなかった」「病的な心理状態に陥り、大切な我が子を手にかけてしまった悲劇」と述べ、情状酌量を求めた。
判決は22日。
〔長崎版〕
3月20日朝刊
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<乳児殺害遺棄>39歳母親に懲役6年 長崎地裁
毎日新聞 2012年3月22日(木)19時56分配信
生後間もない娘を殺し遺体を隠したとして、殺人などの罪に問われた長崎県対馬市の元保育士、勝見久美被告(39)に対し、長崎地裁は22日、懲役6年(求刑同8年)を言い渡した。重富朗裁判長は「女児の親としての愛情を感じない犯行の態様」と指摘した。
判決によると、勝見被告は昨年3月20日、空き地に止めた軽乗用車内で、出産後間もない女児の首を圧迫するなどして殺害。遺体をビニール袋に入れて当時勤務していた保育所の押し入れに隠した。4月2日ごろ、遺体をバケツに入れてセメントを流し込み、後日、押し入れの天袋に再び隠した。【梅田啓祐】