<宮崎公立大>セクハラ問題続出で学長辞任 後任の適任者見つからず
毎日新聞 2012年4月2日(月)16時21分配信
セクハラ問題が相次ぎ、学長が引責辞任した宮崎公立大(宮崎市)は3月30日、新学長の選考の結果、該当者がいなかったと発表した。2日に改めて学長選考を公示するが、新学長就任は来年4月になる見通しで、井上雄二理事長が来年3月末まで学長を兼務する。
公立大では02年以降、今年1月までに4件のセクハラが発覚し、中別府温和氏が学長を辞任。井上理事長が兼務していた。1月26日に公示された学長選考では1人が推薦されたが、外部委員を含む6人の選考会議が「適任でない」と判断した。
公示期間は2日から約4カ月。大学の専任教員5人または学内の経営審議会などの推薦を受けて応募すれば、選考会議が書類審査や面接を経て年内に新学長を決める。しかし年度途中の交代は望ましくないとして、就任は次年度になるという。
また、今年度から大学理事3人が「ハラスメント防止対策」など3分野で学長特別補佐役に就任する。
一方、大学が1月に設置したセクハラ問題の検証委員会は3月27日、報告書を大学側に提出した。
セクハラが相次いだ背景として「被害者の心情への理解や発生する構造などへの理解が管理職層で不十分」だったと指摘し、学内のハラスメント防止・対策委員会委員の女性比率を高めることや、管理職研修の実施などを提言。現在は非公表としている加害者の名前も「公表を検討する必要がある」とした。
大学は報告書を受け、4月中旬までにハラスメント対策の改善策を市に報告する。【中村清雅】