(朝鮮日報日本語版) 学校資金横領の私立高校長、相次ぎ不正発覚
朝鮮日報日本語版 2012年4月19日(木)10時2分配信
学校資金横領などの罪で検察に起訴された、ソウル市内の私立高校A校長の不正が新たに発覚した。被告は横領容疑をめぐる検察の捜査で、現金17億ウォン(現在のレートで約1億2000万円、以下同じ)を自宅の金庫に保管していたことが分かっている。
ソウル市教育庁(教育委員会に相当)は18日、同高校や財団法人などを対象に特別監査を実施し、A被告が学校の工事費を着服するなどの手口で、約7億ウォン(約5000万円)を横領したことを確認したと発表した。これを受け、被告が「ソウル市江南区にあるビル2棟の賃貸収入」と説明している現金17億ウォンについても、一部は学校資金の横領で得たものとの疑いが浮上している。
同高校の関係者たちによると、A被告は学校内で絶大な権力を振るっていたという。特別監査の結果、財団法人理事会の常任理事と法人事務局長を兼ねていたA被告は、学校運営を意のままに牛耳り、裏ではさまざまな手口で資金を横領していたことが分かった。
架空の人物をスクールバスの運転手として採用したかのように見せ掛け、2010年3月から人件費4000万ウォン(約290万円)を横領したほか、財団に所属する学校5校の新築・補修工事費の名目で業者に工事代金を支払い、その金額の全てまたは一部をリベートとして受け取り、07年から08年にかけ不正資金4億9000万ウォン(約3500万円)余りを手に入れた。また、財団法人資産の賃貸収入とみられる1億3000万ウォン(約930万円)余りを法人会計に反映していなかったことも明らかになった。
特別監査に先立つ検察の捜査でも、A被告の不正は次々と発覚した。教育業界によると、A被告は09年4月から翌年4月にかけ、学校資金で不正資金11億ウォン(約8000万円)余りを造成したほか、新規採用の見返りに教師たちから1億4000万ウォン(約1000万円)を受け取った。財団法人所属の小学校で行われた英語キャンプのアシスタント教師に対する手当2500万ウォン(約180万円)を4回にわたり横領したことも、捜査で明らかになったという。
ソウル市教育庁の関係者は「A被告は財団法人の事務局長を兼ねており、物品の購入や各種行事に掛かる費用の支出などに対し、必ず自分の決裁を受けさせるなど、実質的に学校運営の全権を握っていた。学校財団にA被告の解任を要求しており、法人理事職については職務執行停止処分を下した」と話している。