北教組:役員改選 副委員長に小関前書記長 違法献金で起訴猶予、内部から疑問の声 /北海道

北教組:役員改選 副委員長に小関前書記長 違法献金で起訴猶予、内部から疑問の声 /北海道
毎日新聞 2012年6月14日(木)10時53分配信

 北海道教職員組合(北教組)の役員改選が12日あり、政治資金規正法違反(企業・団体献金の禁止)事件で起訴猶予となった小関顕太郎・前書記長が副委員長に選ばれた。接戦ながら現執行部の意向が通った形。同じく起訴猶予となった南部貴昭会計委員も再選されており、内部からも疑問の声が上がっている。
 小関前書記長は10年3月、民主党の小林千代美・前衆院議員(道5区)陣営に1600万円を提供した違法献金事件にかかわったとして逮捕された。事件では団体としての北教組に罰金50万円、当時の委員長代理に禁錮4年、執行猶予3年の有罪判決が確定したが、札幌地検は小関前書記長らについて従属的な関与だったとして起訴猶予処分とした。
 副委員長選には3人が出馬。小関前書記長の立候補に対し、「選ばれれば違法献金事件で失われた信頼回復が遠のく」と主流派からも対立候補が出て、反主流派との三つどもえとなった。開票の結果、小関前書記長が7278票を得票し、過半数を60票上回った。約6200票を集めた対立候補は「事件で北教組は深刻な打撃を受けた。今回の結果では何も変わらない」と批判している。
 役員改選ではこのほか、昨年から立候補している南部会計委員や林秀彦委員長と信岡聡書記長も再選された。19、20の両日、札幌市で開かれる定期大会で承認される。
 定期大会に提出する議案では昨年、道教委への返還運動方針を転換した主任手当の取り扱いについて今回の大会で結論は出さず、議論を継続していくことにした。昨年の定期大会では経済格差に苦しむ児童・生徒への奨学金などとして約58億円を社会還元する方針だったが、「返還を目的に集めた金を別の使途に回すには問題が残る」とした。昨年の定期大会以降、集められた手当約5000万円ついては、北教組内で実施する教育相談活動の運営資金に充てるとしている。【千々部一好】

6月14日朝刊

 民主党の小林千代美衆院議員=北海道5区=側が北海道教職員組合(北教組)から選挙資金1600万円を受領したとされる事件で、札幌地検は1日、政治資金規正法違反容疑(企業・団体献金の禁止)で、北教組委員長代理長田秀樹容疑者(50)=札幌市西区=と、小林氏陣営の会計担当で自治労北海道財政局長木村美智留容疑者(46)ら計4人を逮捕した。地検は認否を明らかにしていない。
 ほか逮捕されたのは、北教組書記長小関顕太郎(54)=小樽市=と同会計委員南部貴昭(52)=札幌市清田区=両容疑者。地検は同日、札幌市の北教組本部などを改めて捜索した。
 逮捕容疑によると、小関、南部両容疑者は2008年12月〜09年5月、北教組委員長(故人)と共謀して3回にわたり計1200万円を、同年7月には、同委員長の事実上の後任の長田容疑者と共謀し、400万円を小林氏の選挙資金として木村容疑者に供与した疑い。

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