詐欺未遂:元学校長ら9人逮捕 国の職業訓練給付金を詐欺未遂容疑−−県警 /香川

詐欺未遂:元学校長ら9人逮捕 国の職業訓練給付金を詐欺未遂容疑−−県警 /香川
毎日新聞 2012年7月13日(金)16時4分配信

 国の求職者支援制度による職業訓練受講生への給付金をだまし取ろうとしたとして、県警は12日、丸亀市にあった職業訓練学校=4月に廃校=の元学校長、樽本智之容疑者(42)=丸亀市=ら学校関係者3人と元受講生6人を詐欺未遂容疑で逮捕したと発表した。県警捜査2課によると、9人は容疑を認めているという。
 容疑は、9人は共謀して今年3月26日、受講生が講習にほとんど出席していないのに、県内のハローワークに、虚偽の出席状況を記載した申請書類を提出するなどし、給付金約50万円をだまし取ろうとしたとしている。捜査2課によると、樽本容疑者らが元受講生に働きかけて、虚偽の申請などをさせたとみている。
 香川労働局によると、逮捕された元受講者6人のうち5人は、今年2〜3月に、制度を利用して2カ月分の計約100万円の給付金を受け取っており、捜査2課は同じように虚偽の申請などをしたとみて、詐欺容疑での立件を視野に調べる。【鈴木理之】
 ◇求職者支援制度を悪用、制度の適正化を図る−−香川労働局
 県警による9人の逮捕の発表を受け、香川労働局は、記者会見を開いた。事件は「第2のセーフティーネット」とも期待されている国の求職者支援制度を悪用した形で、「学校側と受講生が共謀した不正受給は想定していなかった。防止策をまとめ、制度の適正化を図りたい」としている。
 制度は、失業者らが職業訓練を無料で受講し、早期就職につなげることを目指して、11年10月にスタート。要件を満たせば、受講生には生活費などとして月に10万円の給付金が、職業訓練学校には受講生1人当たり月6万円の奨励金が、それぞれ払われる。
 この奨励金についても、丸亀市の職業訓練学校は今年3月、昨年11月からの3カ月分について申請。香川労働局は、不正受給の疑いがあるとして支給を留保し5月に不支給決定をした。
 また厚生労働省は5月、この学校とフランチャイズ契約を結んでいた高知市の事業会社に対し、職業訓練機関の認定を取り消した。【広沢まゆみ】

7月13日朝刊

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