大津市 いじめ自殺 7月12日分

教育長室に捜査員=門閉ざす中学校―大津
時事通信 7月12日(木)0時52分配信

 大津市教育委員会が入る市役所別館2階には11日午後7時半ごろ、滋賀県警の捜査員約10人が段ボールなどを抱えて到着した。うち数人が教育長室に入り、職員と数分間話をした後、捜索を開始。職員が困惑した表情で見守った。
 捜索は約2時間で終了し、捜査員はいじめ関係のファイルなど段ボール7、8箱分の押収資料を運び出した。居合わせた職員によると、教育長は数十人の職員を前に「強制捜査は大変残念。一日も早い事態収束と信頼回復に全力で取り組みたい」と述べたという。
 亡くなった少年やいじめたとされる複数の生徒が通っていた市立中学校。正門は閉ざされ、校舎の幾つかの部屋には電気がついていたが、カーテンで室内の様子はうかがえなかった。
 同校への捜索は午前0時すぎに終了、教諭のノートや出勤簿など86点を押収した。 

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<大津・中2自殺>9カ月後、異例の学校捜索
毎日新聞 7月12日(木)1時29分配信

 大津市で昨年10月、いじめを受けていた同市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題は11日、滋賀県警が中学校や市役所の強制捜査に着手する極めて異例の事態に発展した。男子生徒が自宅マンションから飛び降りてから既に9カ月。いじめの実態にどこまで迫れるのか。捜査員は険しい表情で校長室、職員室などに入り、約5時間に及んだ捜索は日付をまたいだ。【前本麻有、石川勝義】

【大津・中2自殺】学校と市教委を捜索 いじめ巡り滋賀県警

 県警は11日、昨年9月の男子生徒に対する同級生3人の暴行容疑で家宅捜索の令状を取った。自殺した男子生徒が通っていた大津市立中学では午後7時半ごろ、県警捜査員が乗った車3台が正門から家宅捜索に入った。明かりがついた部屋は、中の様子が見えないようカーテンが閉められたまま。家宅捜索をニュース速報で知った中学生や保護者が正門に集まったが、学校の教員ら数人が出てきて帰宅を促していた。

 長男が自殺した男子生徒と同級生だったという保護者の男性会社員(47)は「隠されていたことが多くおかしい。少なくとも担任ら学校の一部は知っていたはずで、大人が行動しなければいけないのに行動しなかった。学校や市教委には不信感がある。警察の捜索も遅いが、真実が分かることを期待している」と話した。

 同市役所では、市教委事務局がある市役所別館(同市御陵町)2階に向かった捜査員らがまず、教育長室へ。今回のいじめ問題の調査を担当する学校教育課などのエリアで捜索を始めた。

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中2いじめ自殺 捜査員24人が学校と市教委を家宅捜索の急展開
産経新聞 7月12日(木)2時1分配信

 大津市の男子中学生の自殺問題は11日夜、滋賀県警が中学校と、大津市役所(同市御陵町)内にある市教育委員会の家宅捜索に踏み切るなど急展開を見せたた。専従捜査班と大津署員を合わせた計24人の捜査員が2カ所に分かれ、午後7時20分ごろから、一斉に捜索に入り、周囲は物々しい雰囲気に包まれた。

 中学校では捜査員が校内に入った後、校門前に約40人の報道陣が詰めかけた。あたりに住宅は少なく、人通りもまばらで、時折教員や保護者とみられる人たちが校門に姿を現したが、無言で足早に通り過ぎていった。

 一方、市役所別館2階にある市教委では、捜査員が教育長室の前に集まり、うち1人が中に入った。

 市広報課の男性職員の一人は、県警が家宅捜索に入ったことについて「中学生の自殺問題では、市も関係している。捜査には全面的に協力したい」と複雑な表情で話した。また、別の男性職員(53)は「市の職員としてお騒がせして本当に申し訳ない」と語った。

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大津自殺少年 祖父母から金盗み「悪い友と交際ない」と手紙
NEWS ポストセブン 7月12日(木)7時6分配信

 滋賀県大津市で昨年10月、当時中学2年生だったAくん(享年13)は、14階建ての自宅マンションの最上階から飛び降りて、自ら命を絶った。その直後、Aくんの自殺について、学校が全校生徒に実施したアンケートでいじめが発覚した。

 しかし、大津市教育委員会は「いじめと自殺との因果関係は判断できない」と主張し、昨年11月に調査を打ち切っていた…。

 卓球部に所属していたAくんは、後輩の面倒見もよく、クラスでもムードメーカーだったという。祖母の作った卵焼きが大好物で、祖父母思いの優しい子でもあった。

「おばあちゃんは体調が悪くて、ほとんど寝たきりの生活なんですが、Aくんは、“おばあちゃん、つかまりや。男やから、強いんやで”といって、トイレにも連れて行ってあげて。服を脱いだり着たりするのまで手伝ってあげていたそうです」(Aくん一家の知人)

 だが、昨年の夏休みが終わったころから、突然、Aくんは仲良しグループの生徒たちからいじめられるようになり、やがて金銭も要求されるようになっていったという。初めは、自分の口座からお金を引き出し、いじめた生徒たちに渡していた。額は12万円以上にも及ぶ。

 それを不審に思った父親は、学校の担任教諭に2回にわたって相談した。だが、結局、その理由はわからず、Aくんを問い詰めても、「ゲームに使った」というのみだった。

 次第にAくんの口座も底がつき、今度は、祖父母の家からお金を盗んで渡していたという。

「お父さんはAくんを頭ごなしに怒ってね。“お金を何に使ったんや?”って。Aくんはただ泣くばかりだったそうですよ」(前出・知人)

 盗んだ理由を決して語ろうとはしない息子に対して、父親は祖父母宛てに謝罪の手紙を書かせたという。そこにはこんな文章が書かれていた。

<おじいちゃん、おばあちゃん、お金を盗ってごめんなさい。僕は悪い友達とは付き合っていません>

「もし、いじめのことを明かしたら、いじめっ子たちに何をされるかわからない、そんな恐怖もあったでしょうが、おじいちゃんおばあちゃんに心配かけたくないという思いから、そんな文面になったんでしょうね。Aくんの思いもですが、それを書かせることになってしまったお父さんの気持ちを考えると切なくて、切なくて…。いまにして思えば、お金がなくなったのは“いじめのサイン”。あの時に気づいて、もっといろいろ動いておけばと、お父さんは後悔してもしきれず、いまも自分を責めているんです」(前出・知人)

※女性セブン2012年7月26日号

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中2自殺 市教委の調査に不信感 「不作為」有無も捜査
産経新聞 7月12日(木)7時55分配信

 中学2年の男子生徒=当時(13)=の自殺をめぐり、滋賀県警幹部は11日、「市教委の調査に一抹の不信があった」と異例の捜索に踏み切った理由を説明した。

 通常、証拠の任意提出を求めることが多い学校や市教委が、強制捜査の対象となった背景には、両者が続けてきた「隠蔽(いんぺい)」ともとれる対応が捜査の障壁となる恐れがあるからだ。いじめ調査における「不作為」の有無も捜査のポイントだ。

 いじめが原因の自殺が事件になる場合、関与していた少年が家裁送致され保護観察処分となるケースが多いが、逮捕に踏み切ることもある。平成5年、山形県新庄市の市立中学校1年の男子生徒=同=が体操マットで窒息死した事件では少年らを監禁致死容疑などで逮捕した。

 今回は男子生徒の死亡から半年以上が経過し、捜査の難航が予想される中で県警は「体育大会での暴行」を捜索容疑とした。体育大会には多くの生徒が参加しており、生徒からの聞き取りで目撃情報が浮上することも見込んでいる。男子生徒の両親は不信感を募らせており、県警は「市教委、学校の対応や調査実態の全容も明らかにしていく」との方針だ。

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「学校に警察の人、信じられない」…生徒動揺
読売新聞 7月12日(木)10時58分配信

 いじめの実態はどこまで解明されるのか。

 大津市立中学2年の男子生徒が自殺した問題は11日、教育現場が捜索を受けるという異例の事態に発展した。捜査員が入った市教委や中学では、教職員、生徒らが「これからどうなるのか」と、驚きと不安の表情を浮かべた。

 亡くなった男子生徒が通っていた中学では午後7時20分頃、滋賀県警の捜査車両3台が到着、捜査員が正門を開け敷地内へ。カーテンを閉めた3階建て校舎の一室で約5時間、捜索を続けた。

 報道で知り、友人と自転車で駆けつけた1年男子生徒は「学校に警察の人が来るなんて信じられない。どんどん大きなことになっているが、人が死んだのだから、当然なような気もする」と心配そうな表情。その後も帰宅していた生徒らが次々と集まり始めた。

 その場にいた教職員らは、報道陣に対して「コメントすることはありません」とだけ話した。

 一方、市教委のある市役所別館2階では午後7時30分頃から2時間余りにわたり、捜査員約10人が教育長室などを捜索。事務室では約50人の職員が残業中で、入り口のドアは内側から段ボールなどで目隠しされた。女性職員は「何が始まるんですか」と驚き、男性職員は「これからどうなってしまうのか」と不安そうに語った。捜索に立ち会っていた沢村憲次・教育長は「大変残念。一日も早い事態の収束と信頼回復に全力で取り組みたい」と話した。

 保護者らにも動揺が広がった。同校1年の息子がいる男性(41)は「今回のいじめはもはや事件。市教委や学校の説明を聞いていても信じていいか分からず、息子を通わすのも不安だ。捜査で少しでも真実が明らかになれば」と願い、女子生徒の母親は「娘から『男子生徒へのいじめはやり過ぎだ。誰か止めた方がいいと話題になっていた』と聞かされた。学校からは生徒や保護者に説明がない」と不満げに語った。

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校長、校内放送で謝罪=カウンセラー倍増―大津中2自殺
時事通信 7月12日(木)13時12分配信

 大津市で昨年10月、いじめを受けていた市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した事件で、滋賀県警の捜索を受けた同中学校では一夜明けた12日、校長が校内放送で生徒に謝罪し、動揺しないよう呼び掛けた。
 また、市と滋賀県の教育委員会は生徒の不安解消のため、同校に常駐するスクールカウンセラーを2人から4人に増員した。
 一方、学校が昨年10月に実施した全校生徒へのアンケートについて、「自殺の練習をさせられていた」などといじめを示唆する複数の回答が含まれた結果を遺族に提供する際、市教委が「部外秘とすることを確約いたします」などとする書面の提出を求めていたことが同日、分かった。
 市教委は「守るべき個人情報が含まれているため」と説明している。

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<大津いじめ自殺>「いじめは一要因」市教育長、初言及
毎日新聞 7月12日(木)13時50分配信

 大津市の沢村憲次教育長は12日、市役所で記者会見し、男子生徒の自殺の原因について「自殺というのはいろいろ要因があるが、いじめは一つの要因だと思っている」と語った。市教委側が男子生徒の自殺の原因に「いじめ」を挙げたのは初めて。

【滋賀県警 異例の捜索】学校 市教委へ

 市側は、男子生徒の遺族が起こした訴訟で、自殺といじめとの因果関係について、「断定できない」としている。沢村教育長は12日、「いじめがあった事実は認めるが、因果関係は明確ではなく、訴訟の態度とは矛盾しない」と語った。

 いじめ以外の具体的な要因に関しては、「言えない。今後設置する外部の調査委員会による調査などで明らかになると思う」と述べるにとどめた。【前本麻有】

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滋賀県警、加害者とされる同級生事情聞き取りへ
読売新聞 7月12日(木)14時34分配信

 昨年10月、大津市立中学2年の男子生徒(当時13歳)がいじめを苦に自殺したとされる問題で、いじめとみられる行為を生徒17人が体育祭の日に「目撃した」と証言していることが、市教委による全校生徒アンケートでわかった。

 伝聞を含めると計38人がこの日に同様の行為があったと認識しており、滋賀県警は暴行容疑の加害者とされる同級生らから近く事情を聞き8月中にも立件の可否を判断する。

 県警幹部によると、加害者とされる同級生は3人で、昨年9月29日、体育施設で行われた体育祭で、男子生徒の手足を鉢巻きで縛って羽交い締めにして殴ったり、口を粘着テープで塞いだりした疑いが持たれている。

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「いじめが要因の一つ」 大津市教育長、初めて明言
京都新聞 7月12日(木)14時59分配信

滋賀県警の家宅捜索から一夜明け、報道陣の質問に答える澤村教育長(大津市役所)

 大津市教委の澤村憲次教育長は12日朝、報道陣の取材に応じ、「いじめは自殺の要因の一つと考えている」と初めて明言した。その上で、直接の因果関係は「判断できない」と繰り返し強調。「警察の捜査によっていじめもそれ以外の要因もすべてが明らかになる」とし滋賀県警の捜査を見守るとした。
 捜索容疑となった昨年9月の体育祭でのいじめについても説明した。アンケートで生徒が「観覧席を巡回していた教諭が(いじめを)見たはず」と指摘したことに対し、市教委の聞き取り調査では目撃した教諭がいないことを強調した。
 押収されたアンケートなど関係資料については、「背景調査として生徒が書いてくれたもので、当時は警察に提出すべきとは考えていなかった」とした。
 また、澤村教育長はあらためて生徒や保護者らに不安を与えたことを謝罪。動揺している生徒を気遣いながら「警察の捜査を冷静に受け止め、心配することなく問われることに答えてほしい」と話した。

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再調査実施、県警知らず 大津中2自殺
京都新聞 7月12日(木)14時59分配信

 大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒が自殺した問題で、生徒が通学していた中学校と市教育委員会を家宅捜索した滋賀県警は12日、押収資料の本格的な分析作業に入った。また、学校が実施していた2度目のアンケート実施について、市教委が10日の記者会見で発表するまで県警に伝わっていなかったことも分かった。
 いじめ事件を捜査する県警生活安全部の幹部は、今回の強制捜査に至った理由について「普通であれば任意提出で足りることだが、全部の資料を頂けるか疑問だった」と、市教委への不信感があったことを示唆した。
 県警が11日夜に行った家宅捜索では、市教委から43点、中学校から86点を押収した。主な品目は、大津市内の学校現場で昨年に発生したいじめ事案について市教委がまとめた関係ファイルや、生徒指導提要などを市教委から押収。中学校では、教師がつけた日誌やノート、生徒の出席簿などを差し押さえた。
 学校が全校生徒に2回実施したいじめに関するアンケートの結果は、今月7日に1回目分を、11日に2回目分をそれぞれ原本で任意提出を受けたという。また、本格捜査を開始した11日に市教委と学校関係者の各1人を事情聴取したという。
 県警は、これらの押収資料を分析するとともに、昨年9月下旬の体育祭で複数の目撃があった男子生徒へのいじめ行為を軸に、関係者への聞き取りを重ね、犯罪事実の確認や立件の可否を判断するとみられる。

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<大津いじめ自殺>体育祭暴行20人目撃 アンケートで回答
毎日新聞 7月12日(木)15時0分配信

 大津市で市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、滋賀県警が強制捜査に着手した体育祭での男子生徒への暴行容疑について、生徒20人が「目撃した」と学校のアンケートに答えていることが、捜査関係者などへの取材でわかった。主に「手を鉢巻きで縛られていた」「口を粘着テープでふさがれていた」など。「殴られていた」などの内容もあった。県警は今後、目撃した生徒らから事情聴取を重ね、立件の可否を慎重に判断する方針。

 県警が11日に学校などを捜索した暴行容疑は同級生3人(当時13歳と14歳)が昨年9月29日の体育祭で、男子生徒の口に粘着テープをはり、手足を鉢巻きで縛るなどして殴るなどした、というもの。県警は11日夜、関連先として学校と市教委を捜索した。

 捜査関係者や市教委関係者によると、男子生徒が昨年10月に自殺した直後、学校が全校生徒に実施したアンケートで、生徒20人が昨年9月の体育祭での男子生徒への加害行為を目撃したと答えた。20人には、男子生徒の同級生の2年生(当時)だけでなく、複数の1年生(同)も含まれていた。

 具体的には、男子生徒が同級生数人から、「手を後ろで縛られていた」「ガムテープやひものようなもので手足を縛られていた」「眼鏡を外され、手を縛られた状態で『(眼鏡を)取ってこい』と言って歩かせた」など。「殴られていた」「集団リンチのようなことをされていた」「死んだ蜂を口に入れられていた」などの内容もあった。

 伝聞として同様の内容を把握していると回答した生徒も24人に上った。

 市教委は昨年11月、体育祭でのこうした行為について、同級生3人が学校側に事実関係をおおむね認めたうえで、「いじめの認識はなかった」と話したことを明らかにしていた。県警は同級生3人からも事情を聴くなどして捜査を進める。

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「未提出資料あるかも」 強制捜査の背景に市教委への不信感
産経新聞 7月12日(木)15時14分配信

 教育委員会や学校への異例の強制捜査に発展した大津市の中学2年生の自殺問題。捜査関係者によると、滋賀県警が本格捜査に踏みきった背景には、県警の市教委に対する不信感があったという。一方、自殺した生徒の父親が3度にわたって提出しようとした被害届を受理しておらず、「捜査が遅いのではないか」という批判への配慮もあったとみられる。

 県警は数日前から市教委に対し、資料の任意提出を求めるなどしていたが、市教委は、いじめ調査のために学校側が実施したアンケートが2回行われていた事実について県警側に伝えていなかった。

 捜査関係者によると、県警は家宅捜索を行った11日までに1回目のアンケートの原本や集約結果などの提出を受けていたものの、それが資料の全てなのかどうかは、はっきりしていなかった、と指摘する。

 ある捜査幹部は「(アンケートが)2回と知ったのは(10日の)市教委の記者会見があってから。これまでに任意提出を受けた分が全てかどうか疑念を抱いた」と打ち明けた。

 一方、県警側には焦りもあった。同級生からの暴行を受けているとして自殺した生徒の父親が3度にわたり、滋賀県警大津署に被害届を提出しようとしていたものの「被害者が死亡しているので立件するのが難しい」などとして受理しなかった経緯に対する批判もあったためだ。

 また、捜査にあたり事情聴取の対象者は700〜900人と膨大になることもあり、市教委だけの調査には限界があるという判断もあった。これまでに提出を受けた資料に加え、捜索で押収した教員の日記やノート、生徒の出欠簿などを精査し、事態の全容解明を目指している。

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大津・中2自殺 「警察の捜査ショック」生徒ら不安隠せず
産経新聞 7月12日(木)15時41分配信

 「警察の捜査はショックだった」。大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で、滋賀県警が男子生徒の通っていた中学校を家宅捜索してから一夜明けた12日早朝、雨が降りしきる中、中学校前には大勢の報道陣が詰めかけ、傘をさした生徒らが緊張した面持ちで登校する様子が見られた。

 午前8時すぎ、生徒らは次々に登校。3年の女子生徒は「クラスのみんなは元気です」と話したが、2年の男子生徒は「警察の捜査が学校に入ったのはショック。かなり大きなことになってきたと感じた」と動揺を隠せなかった。

 また、別の3年の女子生徒も「(警察の家宅捜索は)とても残念。この夏は部活動の最後の大会がある。早く落ち着いて、いつも通りの学校に戻ってほしい」と話した。

 校門前では、地域の防犯ボランティアの男性らが生徒を見守ったが、保護者の車で登校する女子生徒らの姿もあった。

 大津市教委によると、校長が午前8時半ごろから全校生徒を対象にした校内放送を実施。「心配をかけたが、安心してほしい。先生も努力しているので、学校全体でがんばろう」などと呼びかけたという。

 中学校の近くに住む男性(86)は「なぜ昨年の問題が今ごろこんなことになるのか」と、大津市教委や中学校などの対応に疑問を呈した。

 近所の主婦(70)は「(普段は)生徒ががんばって部活をしている姿や元気な声を見聞きしている。早くいつも通りの学校に戻ってほしい」と祈るように話した。

 一方、中学校と同時に家宅捜索を受けた大津市役所内の市教委では、子供たちへの配慮を求める電話が相次いだ。

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中2自殺 橋下市長「教育行政の膿」 大津市教委を痛烈批判
産経新聞 7月12日(木)15時46分配信

 男子中学生の自殺問題について、大阪市の橋下徹市長は12日、報道陣に対し、大津市教育委員会の一連の対応について「保護者視点、世間の感覚からあまりにもかけ離れている」と痛烈に批判した。

 橋下市長は、生徒へのアンケート結果を公表する記者会見の場などで教育委員が対応していないことを問題視し、「なぜ教育委員が前面に出ないのか。受け答えができないのは責任者として失格だ」と発言。「日本の教育行政の膿(うみ)中の膿。教育委員会制度が機能していない象徴例だ」と指摘した。

 また、教育に政治からの一定の介入が必要だとして、「越(直美)市長にはぜひ頑張ってもらいたい。教育委員会制度の闇を全部あぶり出してもらいたい」と述べた。

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橋下大阪市長ウォッチ  大津いじめで批判 「なぜ教育委員が前面に出ないのか」
J-CASTニュース 7月12日(木)16時32分配信

 大津市の中学生いじめ自殺事件をめぐり、中学生が通っていた中学校と市役所を滋賀県警が捜索したことについて、大阪市の橋下徹市長は2012年7月12日朝の囲み取材で、

  「事実関係については、僕はコメントを出す立場ではないし、事実はこれから解明されるでしょうけど、なぜ教育委員が前面に出ないんですかねー」

と、教育委員会のあり方を改めて批判した。具体的には、

  「教育長以下、教育委員会幹部、いわゆる公務員が前面に出ているが、責任者は誰といえば教育委員なんですよ。教育委員が前面に出れない、受け答えができないと言うことは、責任者として失格でしょう」

と、教育委員が実質的に教育行政に対する責任を負っていないことを指摘した。その上で、

  「本当にご意見番。コメント、意見を言うだけで終わっていますから、このいじめ問題についても、どう対処していいのか(分かっていない)。そもそも事実関係についても、何も把握していないと思いますよ」

と、教育委員の傍観者ぶりを批判した。

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父親に「口外しない誓約書」 中学校側にいじめ隠す意図?
J-CASTニュース 7月12日(木)20時12分配信

 滋賀県大津市立中学2年の男子生徒が自殺した問題で、学校が行った生徒アンケートの結果を父親が見たところ、口外しないよう誓約書を取られていたことが分かった。学校側にいじめを隠す意図があったのではないかと、疑問の声が出ている。

 2012年7月11日放送のTBS系ニュースでは、「確約書」とタイトルのついた誓約書を写真付きで紹介した。

■生徒アンケート結果は「部外秘」だった

 大津市立中学校では2011年10月、全校生徒にいじめのアンケートをとり、そこには、生々しい暴行などの様子が書き込まれた。誓約書を取られたのは、その生徒アンケートを被害生徒の父親が見せてもらおうとしたときだ。

 ニュースによると、アンケには個人情報などが含まれているとして、父親は「部外秘とすることを確約いたします」との文面に署名させられた。父親は、取材に対し、「やむなくサインしたものの、真相の解明が遅れる原因となった」と漏らしたという。

 学校が11月に2回目のアンケをしたときは、「自殺の練習」などの書き込みがあった。しかし、新たな事実がなかったとして、父親には見せていなかった。

 いじめを巡っては、自殺との因果関係を不明と判断した当時の内部会議の議事録などがないことを大津市の越直美市長が明らかにしている。いじめの調査報告書も作っておらず、こうしたことから、ネット上では、誓約書についても隠ぺいの意図があったのではないかとの疑問が相次いでいる。

 そこで、真意について聞こうとしたが、中学校は電話がつながらず、市教委も協議中などとして取材できなかった。

 文科省の児童生徒課によると、生徒アンケートの取り扱いなどに関しては、「児童生徒の自殺が起きたときの背景調査の在り方について」という11年6月1日付通知で示している。

■教育評論家「おかしさに気づくべき」

 遺族への対応について、文科省児童生徒課では、こう説明する。

  「そのご要望、ご意見を十分に聞いて、できるだけの説明をすることになっています。生徒アンケートを遺族に見せることのいい悪いは言えませんが、アンケの内容説明は必要だということです」

 ただ、アンケについては、「安易な公表は避けるべき」だとする。

  「アンケだけで、いじめについて判断されるべきではありません。いろいろな観点から、その事実関係を調査する必要があります。ですから、公表によって、アンケの内容が一人歩きして情報が混乱するのは好ましくありません。誓約書のいい悪いは言えませんが、アンケの取り扱いは慎重にすべきです。誓約書があるとすれば、学校側はそれを踏まえた対応をしたのではと思います」

 大津市立中学校の説明に問題はなかったかについては、「事実確認をしている最中ですので、何とも判断できません」としている。

 教育評論家の尾木直樹さんは、中学校などの対応には疑問があると言う。

  「デリケートな問題なので、生徒アンケの取り扱いについて、お互いに気をつけましょうというのなら分かります。しかし、誓約書という形で取るのはいかがなものかと、不快感を持ちますね。そこまでするなら、学校側の調査も厳密にあるべきだと思うからです。アンケの結果も発表せず、『葬式ごっこ』などの記述も見落としており、自分たちのおかしさに気づくべきですよ」

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<大津いじめ自殺>死亡生徒が通った中学校が保護者に説明会
毎日新聞 7月12日(木)21時55分配信

 大津市の市立中学2年の男子生徒が昨年10月に自殺した問題で、男子生徒が通っていた中学校で12日夜、保護者説明会が開かれた。沢村憲次教育長は保護者の求めに応じ、男子生徒の自殺直後の全校アンケートの内容を保護者に公開すると表明した。蒸し暑い体育館で約3時間続いた説明会は、真相解明を求める保護者の期待とは裏腹に、かみ合わない学校側の説明が続き、怒りが渦巻いた。

 説明会は関係者のみを対象に開かれ、保護者約700人が出席。沢村教育長や校長らが説明した。2年生の保護者の女性によると、亡くなった男子生徒の父親も出席。「今回のことで騒がせてしまってすみません」と恐縮した様子で話し、女性は「胸が痛んだ」という。男子生徒の担任教諭は欠席したという。

 教育長や校長らは当初30〜40分にわたり、男子生徒の自殺からアンケート実施までの経緯を説明。男子生徒への加害行為を確認した一方、葬式ごっこや恐喝は未確認と話したという。

 質疑応答では、真っ先に手を挙げた保護者の男性が「1人の方が亡くなったのに、なぜ黙とうがないのか」と怒って指摘。会場では拍手が起こった。学校側は座ったまま黙とうしようとしたため、保護者の更なる怒りを買ったという。

 保護者はアンケート結果の開示を要求。学校は「プライバシーの問題がある」と当初応じなかったが、最終的に沢村教育長が「私の権限で、ご希望があればお見せいたします」と話した。保護者からは「報道内容は本当なのか」との問いや、アンケート内容に関する質問が多かったという。

 2年生女子の保護者男性は「学校の対応は保身に走っていると感じた。今回の問題は担任が説明すべきだ。保護者からは『担任はどうした』と疑問の声が上がった」と話した。

 説明会を終えた保護者の女性は「ネットや報道をうのみにしている生徒や保護者が多く、真相が分かると思って説明会に参加したが、保護者との質疑応答は全くかみ合わなかった」と話していた。

 説明会後、取材に応じた沢村教育長は「いじめと自殺との因果関係は断定できないという市教委の考え方を説明し、保護者から異論は出なかった」と説明した。【石川勝義、前本麻有、千葉紀和】

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<大津いじめ自殺>因果関係断定できぬ、教育長認識変わらず
毎日新聞 7月12日(木)22時35分配信

 大津市教委の沢村憲次教育長は12日、報道陣の取材に応じ、男子生徒の自殺原因について「さまざまな要因が考えられる。私どもの認識そのものは変化していない」と語った。この日午前の会見では「いじめが要因の一つ」と発言していたが、改めて真意を問われ、いじめと自殺との因果関係は断定できないとする従来の姿勢を示した。

 また自殺した生徒が生前、「泣きながら担任に電話をしてきた」とする在校生アンケートの回答について、「電話内容の詳細はプライバシーの問題があり言えないが、家庭内のことと聞いている」とした。

 警察による強制捜査については、「背景には学校内でのいじめもある」としながらも、「亡くなったお子さんが家庭内でどんな環境に置かれていたのか、家庭内で何が起きていたのかということも、背景調査で明らかになるのではないか」と述べ、自殺にはいじめ以外の要因もあるとの見方をにじませた。【千葉紀和】

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文科省、職員を大津市派遣へ 中2自殺の再調査助言
京都新聞 7月12日(木)22時49分配信

 大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒が自殺した問題で、文部科学省は12日、職員を近く大津市に派遣する方針を決めた。市が予定するいじめとの因果関係を調べる外部委員会の再調査や、学校の運営などについて助言するとみられる。同省がいじめ問題など個別問題について、直接支援するのは異例。
 同省によると、同日、大津市から「バックアップしてほしい」と要請があり、文科省は派遣する職員の人数などの調整に入った。派遣先は市長部局を想定しているという。
 高井美穂副大臣は同日の記者会見で、「警察の捜査や爆弾予告があり、生徒や保護者が動揺している。最大限バックアップしたい」と表明。生徒の心をケアするスクールカウンセラーの増員も検討すると述べていた。
 一方、生徒や保護者への国の直接調査について、「現地に政務三役が行ったり、国としての聞き取りは今は控えたい」との見解を述べ、捜査や訴訟の進展などをみて、市教委のアンケートや遺族対応を検証する方針を示した。

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異例捜査に生徒ら動揺 大津中2自殺
京都新聞 7月12日(木)22時49分配信

 突然の友だちの死は二転三転し、普段は歓声が飛び交う中学校を警察が11日夜に家宅捜索する異例の事態となった。大津市内で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)が自殺した問題。12日夜には保護者説明会が開かれ学校側が経緯を説明したが、保護者や生徒が不安やいら立ちを募らせるなど動揺が広がっている。
 2年生の生徒を持つ母親(42)は「説明会では校長から申し訳ないとの謝罪があったが、(解明へ)進展しているとは思えない。解決策を示してほしいが、このままでは子どもらがかわいそう」と表情を曇らせた。
 学校では12日朝、校内放送で滋賀県警が家宅捜索に入ったことが説明された。2年男子(13)は「真実を突き止めるため、中途半端な捜査に終わってほしくない」と話す。違う2年男子(13)は「人が亡くなってるし、警察や報道が問題視するのは当然だと思う」と冷静に受け止めた。
 その一方で、自殺から約9カ月を経て本格化した捜査に疑問を投げかける声も。2年女子(13)は「本当に大変ないじめと考えていたのなら、なんで今頃になって真剣に捜査するのか」と話した。
 ネットではさまざまな情報が飛び交うなど、事態の過熱化を危ぶむ意見もある。下校途中だった2年女子(13)は「ちょっと取材にしゃべったことが騒ぎを起こすかもと思うと怖い」と不満顔。3年女子(15)からは「ネットでは中学校全体が悪く言われ悲しい」と声を落とした。
 部活動や受験勉強などに集中できる夏休みが約1週間後に迫る。運動部に所属している3年女子(14)は「受験があるし、部活も最後の追い込みのとき。いじめは実際あったけど、大騒ぎになって力を入れたいことに集中できない」と胸の内を語った。

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自殺生徒の相談「家庭内の問題」 大津市教育長
京都新聞 7月12日(木)22時59分配信

 大津市の澤村憲次教育長は12日、自殺の直接の因果関係は「判断できない」と繰り返した一方、「いじめが要因の一つ」と言及した。自殺した生徒が教諭に相談した悩みは「家庭内の問題」だったことも明らかにした。記者団との主なやりとりは次の通り。
 −昨年9月に生徒が泣きながら教諭に相談した「学校外」の悩みとは何か。
 「個人情報で詳細な中身は言えないが、家庭の中のこと。(今後)生徒が置かれていた家庭環境などについても背景調査が実施されるだろう」
 −さまざまな自殺の要因という中に、いじめは入っているのか。
 「要因の一つだと思っている。これまでも、このことを否定してきた覚えはない。自殺の直接の因果関係は判断できない」
 −生徒や教諭への聞き取り調査の内容を記したメモやノートをすべて確認したのか。
 「すべてコピーして確認したわけではない。学校側で整理された文書で結果の報告を受けている」
 −2回目のアンケートの実施を遺族に伝えなかった理由は。
 「遺族の依頼を受けて実施したが、そのときに伝えそびれた」

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保護者ら不信拭えず 大津中2自殺、学校で緊急説明会
京都新聞 7月12日(木)23時9分配信

 大津市で昨年10月、市内の中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺し、いじめとの関連が指摘されている問題で、生徒が通っていた中学校は12日夜、緊急保護者説明会を開いた。学校側は滋賀県警の強制捜査にまで発展した一連の経緯を説明し、これまでの調査の不備を謝罪。信頼回復に努めるとして理解を求めたが、保護者からは「納得いく説明がない」などと厳しい批判の声が上がった。
 午後7時から開かれた説明会は3時間を超えた。多くの保護者が詰めかけた会場では冒頭、澤村憲次教育長と校長が信頼を裏切ったなどとして謝罪し、教頭が一連の経過を報告した。保護者からの提案で亡くなった生徒に黙とうがささげられると、生徒の父親は礼を述べたという。
 質疑応答では、「誠意を持って対応すべきだ」などの意見が上がった。途中、担任に説明を求める声もあったが行われなかったという。
 2年の女子生徒の父親は「真相が分かったという印象はない。いじめは犯罪だ。自分たちだけで解決しようとせず、なぜもっと早く警察に届けなかったのか。学校の保身を感じる」と指摘する。1年の女子生徒の母親は「学校側からきちんとアンケートの結果を教えてほしい」と話した。

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